大学生や社会人にとっては、必須アイテムともいえるノートパソコン。
しかし、CPUやメモリなどスペックが複雑で、同じメーカーの機種でも性能や値段はさまざま。特にここ数年は性能の進歩が著しく、毎年最新モデルが発売されたり、Windowsも頻繁にアップデートされたりと、パソコン初心者だと何を選べばよいのかわかりにくいし、ガジェオタでもちょっと目を離すとあっという間に時代遅れになる。それがノートパソコンだ。
この記事ではノートパソコンを買いたいけど、どれを買えばいいかわからない。そんなあなたに向けて、ノートパソコンを選ぶ上で押さえておきたいポイントと、用途別にとりあえずこれを抑えておけば間違いないというおすすめノートパソコンを厳選して紹介する。
ノートパソコンの選び方
ノートパソコンの選び方は、主に以下のポイントを考慮すると失敗しにくい。用途、予算、そして重要視する機能に基づいて選ぼう。
- まずは用途を明確に。
- 必要なスペックを把握。
- 予算内で最適なモデルを選ぼう。
1. 用途を明確にする
まず、ノートパソコンを選ぶ上で最も重要なこと。それは自分がそのノートパソコンを何に使いたいのかを明確にすることだ。用途ごとに必要なスペックの目安を以下にまとめる。
用途によって必要な性能や機能があったり、逆にオーバースペックにもなり得るので、まずは使用用途をはっきりさせよう。
一般用途(Web閲覧、動画視聴、Office作業など)
単純に家でWeb閲覧、動画視聴、Office作業などをするだけなら高性能なノートパソコンは必要ない。
- CPU: Intel Core i3/i5 または CoreUlta5 または AMD Ryzen 3/5
- メモリ: 8GB
- ストレージ: 256GB SSD以上
ビジネス用途(会議、資料作成、プログラミング)
ビジネス用途の場合は、複数の作業を同時並行して行う場合があるため、CPUとメモリについては少し余裕のあるスペックのものを使用した方が無難だ。
また、外出先で使用するなど、持ち運びをする場合は、重量やインターフェースの種類もチェックしたい。
- CPU: Intel Core i5/i7 または CoreUlta5 または AMD Ryzen 5/7
- メモリ: 16GB以上(プログラミングやデータ分析にはこれが理想)
- ストレージ: 512GB SSD以上
- セキュリティ機能(指紋認証や顔認証)があれば安心。
クリエイティブ用途(動画編集、写真編集、3Dモデリング)
編集作業を伴うクリエイティブな用途の場合は、それなりのスペックのノートパソコンが必要になる。
- CPU: Intel Core i7 または CoreUlta7 または AMD Ryzen 7/9
- GPU: NVIDIA RTX 4050以上
- メモリ: 32GB以上
- ストレージ: 1TB SSD(動画素材が多い場合)
ゲーミング用途
ゲーミング用途の場合は、どんなゲームをやるのかによって要求されるスペックが異なるが、共通して言えるのはGPUの性能が高くないと快適にゲームをプレイすることが難しいということだ。
- CPU: Intel Core i7/i9 または CoreUlta7 または AMD Ryzen 7/9
- GPU: NVIDIA RTX 4060以上
- メモリ: 16GB
- ストレージ: 512GB SSD + HDD(追加ストレージが必要なことが多い)
2. 予算を決める
用途別にかかる費用はおおむね次の通りだ。示している価格幅の真ん中ぐらいを目安に選ぶのがおすすめだ。
ただし、オフィスソフトを含むモデルの場合は、ここから2~3万円程度上乗せした価格が目安になるので注意してほしい。
用途 | 予算目安 |
---|---|
一般用途 | 8万~10万円 |
ビジネス用 | 10万~15万円 |
クリエイティブ用途 | 15万~30万円以上 |
ゲーミング用 | 15万~25万円以上 |
3. スペックの確認
ノートパソコン選びで重要なスペックは次のとおりだ。
パソコンを選ぶ上で大事になるのが、各パーツのバランスで、1つの部品だけ高価でも、その性能を十分に引き出すことができない。
1.CPU(パソコンの頭脳)
CPU選びの注意点として、同じCore i5でも、発売された時期(一般に「世代」と言う)によって、性能が大きく変わる。
安いからと型落ちの製品を選ぶのではなく、少なくとも3年以内に発売された比較的新しい製品を購入してほしい。
- Intelの場合: CoreUlta5 < Ulta7 <Ulta9
- またはCore i3 < i5 < i7 < i9
- AMDの場合: Ryzen 3 < Ryzen 5 < Ryzen 7 < Ryzen 9
→ 普段使いならCore i5やRyzen 5で十分。高負荷作業なら上位モデルを選ぼう。
2.メモリ(作業スペース)
メモリ(RAM)とは、簡単に言うとデスクなど作業スペースの大きさに例えられる。いかに優秀な頭脳(CPU)があっても、作業台が小さければその能力を十分に発揮することができないので、予算が許すのであれば1つ大きいサイズのメモリであると安心だ。
- 8GB: 日常作業や軽い作業、ビジネス
- 16GB以上: プログラミング・写真編集・ゲーミング
- 32GB以上: 動画編集・3D作業
3.ストレージ(保存容量)
最近のノートパソコンであれば、高速のSSDを標準で搭載しているモデルが多い。
- SSD(高速)がおすすめ。256GB以上は必須。高価。
- HDD(低速)は価格が安い。大容量ストレージとして。
→ 必要ならSSDとHDDとの組み合わせも検討。
4.GPU(グラフィック性能)
基本的にGPUが必要なのはクリエイティブな作業やゲーミング目的の人になる。
- 軽い用途(Web閲覧、動画視聴、Office作業)
→ GPUは不要 - 中程度の用途(軽いゲーム、写真編集、簡単な動画編集)
→ エントリーレベルの専用GPU(NVIDIA GTXシリーズやAMD RX 500シリーズ)がおすすめ。 - 重い用途(ゲーミング、動画編集、AI)
→ ミドル~ハイエンドGPU(NVIDIA RTX 3060以上やAMD RX 6700XT以上)が必要。
5.サイズ・重量
自宅だけで使うのであれば、画面が大きくタイピングしやすいモデルを選ぼう。
逆に、外出先で使用することを想定する場合は、できるだけ軽いモデルが良いが、その分高価になる。
- 持ち運びを重視するなら13~14インチ、1.5kg以下を目安に。
- 自宅や固定の場所で使うなら15インチ以上で快適な作業が可能。
6.インターフェース
意外と重要なのがこのインターフェース。
最近のモデルであれば、データ転送、充電、映像出力に対応した万能のUSB-Cが最低1ポートは欲しいところ。
ただし、USB-Cについては規格が複雑なので、可能であれば「Thunderbolt 4」または「USB4」を搭載していれば間違いない。
- USB-A: 最も一般的な形状。マウス、キーボード、USBメモリなどで使用。
- USB-C: 両面挿し可能な新世代規格。USB-Cでも世代により性能が異なる。
- サンダーボルト: (Thunderbolt): データ転送、映像出力、電力供給を1つのポートで同時に行える、USB-Cの最上位規格。
- USB4:サンダーボルト端子とほぼ同じ。
- HDMIポート: モニターやテレビへの映像・音声出力用。外部ディスプレイを接続する場合に必須。
- SDカードスロット: デジタルカメラの写真や動画データを取り込む際に便利。
- イヤホンジャック: 有線イヤホンやヘッドホンを使用する場合に必須。
- LANポート: 有線でインターネット接続する場合に必要。
→ 最近の薄型ノートには省略されることが多いため、必要ならUSB-LANアダプターが別途用意。
7.バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間については、外出先で利用する 場合は8時間以上の持続時間があるモデルが好ましい。
- 長時間外出する人は8時間以上のバッテリー持続時間を目安に。
- 付属の充電アダプターは大きく持ち運びに不便。
- 小型の充電アダプターが別途あると便利。
8.その他のポイント
ノートパソコンの使用感は実際に触れてみてみないとわからないところがあるので、可能であれば家電量販店などで実機に触れてみることをおすすめする。
- ディスプレイ: 解像度はフルHD以上(1920x1080)がおすすめ。
- キーボード: タイピングしやすさやバックライトの有無を確認。
- 保証・サポート: 長期間使うため、メーカーの保証内容も確認。
人気メーカーの特徴
ノートパソコンは販売している主なメーカーは次のとおり。
- Apple: 高品質・洗練されたデザイン(MacBookシリーズ)。
- Dell: ビジネス向けで信頼性が高い(XPS, Inspiron)。
- Lenovo: コストパフォーマンスが高く、ビジネス向けに強い(ThinkPad)。
- ASUS: ゲーミングやクリエイティブ向けに優れた性能(ROGシリーズ)。
- HP: 学生や一般用途におすすめ(Pavilionシリーズ)。
おすすめ機種
一般用途(Web閲覧、動画視聴、Office作業など)
一般用途や学生向けのモデルを選定した。必要な場合は、officeソフト付きのモデルを購入しよう。
HP 15-fd
- 特徴: 第13世代core i5搭載。指紋認証でセキュリティも高い。学生用に最適。
- スペック: Core i5-1334U、16GB RAM、256GB SSD
- 価格帯: 約9万円
HP Pavilion Aero 13-bg
- 特徴: 13.3型で驚愕の1kg切り。毎日持ち運ぶ人向け。
- スペック: Ryzen 5(8640U)、16GB RAM、256GB SSD
- 価格帯: 約13万円
ビジネス用途(会議、資料作成、プログラミング)
ビジネス用途として、持ち運びが苦にならない軽量モデルをピックアップした。
Lenovo IdeaPad Slim 3i Gen 9
- 特徴: 高性能CPU搭載したハイパフォーマンスモデル。
- スペック: Intel Core i7、8GB RAM、512GB SSD
- 価格帯: 約10万円
- 重量: 1.37kg
⇒Lenovo公式(Lenovo IdeaPad Slim 3i Gen 9)
Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11
- 特徴: 耐久性が高くて軽い、ビジネスノートの鉄板モデル。セキュリティ機能も充実。
- スペック: Intel Core i7、16GB RAM、512GB SSD
- 価格帯: 約18万円
- 重量: 1.12kg
⇒Lenovo公式(Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11)
Pavilion Aero 13 Ryzen 5
- 特徴: 13.3型で驚愕の1kg切り。毎日持ち運ぶ人向け。
- スペック: Ryzen 5、16GB RAM、512GB SSD
- 価格帯: 約13万円
⇒AMAZON(Pavilion Aero 13 Ryzen 5)
クリエイティブ用途(動画編集、写真編集、3Dモデリング)
写真や動画編集(フルHD)作業向けのおすすめ機種を選定した。比較的軽い編集作業であれば、最新のintel Core Ultra7(第二世代CPU)を搭載している場合は、GPUが不要な場合も多い。
Lenovo Yoga Pro 7i Gen 9
- 特徴: 最新の高性能CPUとGPUを積んだハイコストパフォーマンス機。
- スペック: Core Ultra 7 155H、16GB RAM、1TB SSD、RTX4050
- 価格帯: 約20万円
⇒Lenovo公式(Lenovo Lenovo Yoga Pro 7i Gen 9)
Lenovo Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9
- 特徴: 最新のCore Ultra第二世代CPUを搭載。GPUが無くてもクリエイティブ作業が可能になった。
- スペック: Core Ultra 7、32GB RAM、1TB SSD、RTX 3070 GPU
- 価格帯: 約26万円
⇒Lenovo公式(Lenovo Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9)
ゲーミング用途
NVIDIA RTX 4060以上のグラフィックボードを搭載しつつ、コストパフォーマンスに優れるモデルを選定した。
Lenovo LOQ 15IRX9
- 特徴: AIがシステム監視に基づきパソコンの設定を調整し、高いパフォーマンスを発揮。
- スペック例: Core i7 13650HX、16GB RAM、512GB SSD、NVIDIA RTX 4060
- 価格帯: 約16万円
Lenovo Yoga Pro 7i Gen 9
- 特徴: 最新の高性能CPUとGPUを積んだハイコストパフォーマンス機。
- スペック: Core Ultra 7 155H、16GB RAM、1TB SSD、RTX4050
- 価格帯: 約20万円
⇒Lenovo公式(Lenovo Lenovo Yoga Pro 7i Gen 9)
Acer Predator Helios Neo 16
- 特徴: RTX4070搭載で高画質な画面でゲームを楽しめる。
- スペック例: Core i714700HX、16GB RAM、512GB SSD、NVIDIA RTX 4070
- 価格帯: 約25万円
⇒AMAZON(Acer Predator Helios Neo 16)
まとめ
現代はスマートフォンで何でもできる時代にはなったが、それでも大学生や社会人にとってはまだまだ必須アイテムともいえるノートパソコン。
CPUやメモリなどスペックが複雑で、同じメーカーの機種でも性能や値段はさまざま。
特にここ数年は性能の進歩が著しく、毎年最新モデルが発売されたり、Windowsも頻繁にアップデートされたりと、パソコン初心者だと何を選べばよいのかわかりにくいし、ガジェオタでもちょっと目を離すとあっという間に時代遅れになる。それがノートパソコンだ。
ノートパソコンの選び方は、主に以下のポイントを考慮すると失敗しにくい。用途、予算、そして重要視する機能に基づいて選ぼう。
- まずは用途を明確に。
- 必要なスペックを把握。
- 予算内で最適なモデルを選ぼう。