今やワイヤレスイヤホンには当たり前になった機能「ノイズキャンセリング」。
何となく雑音がなくなるんだよねっていう風に理解はしているんだけど、実際はどういう仕組みで、製品ごとにどんな違いがあるのかよくわからないっていう人も多いんじゃないだろうか。
今回はそんなノイズキャンセリング機能について解説をしていく。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)とは?
アクティブノイズキャンセリング(Active Noise Cancelling, ANC)とは、周囲の騒音を低減するために使用される技術だ。
主にヘッドホンやイヤホンに搭載されており、音楽や通話をよりクリアに聞けるように設計されていいる。
この技術により、騒がしい環境(電車、飛行機、オフィスなど)でも雑音を低減し、快適に音楽や動画コンテンツを楽しむことができる。
ANCの仕組み
ANCの仕組みは大まかに次の通り。
- マイクで外部の音を拾う
ヘッドホンやイヤホンの外部に設置されたマイクが周囲の騒音(例えばエンジン音や話し声)を拾う。 - 逆位相の音を生成
デバイス内のプロセッサが拾った騒音と逆の波形(逆位相の音)を生成する。この逆位相の音を再生することで、元の騒音を打ち消す。 - 音の打ち消し(干渉効果)
騒音と逆位相の音が重なると、音波同士が干渉してノイズが聞こえなくなる(または大幅に減少する)仕組み。
ANCの種類
アクティブノイズキャンセリングには、ノイズを収音するマイクによって3つの方式に分けることができる。
- フィードフォワード方式
外側のマイクを使ってノイズを拾い、逆位相の音を作る方式。高音域のノイズに強い。 - フィードバック方式
内側のマイクでノイズを拾い、逆位相の音を作る方式。低音域のノイズに強い。 - ハイブリッド方式
外側と内側両方のマイクを使う方式。両方のメリットを組み合わせた最も効果的な方法。
利点
ANC機能付きのイヤホンのメリットは次の通り。
- 騒がしい環境での快適さ:飛行機のエンジン音やカフェの雑音などを効果的に低減する。
- 耳への負担軽減:ボリュームを上げなくてもクリアに音楽を楽しめる。
- 集中力アップ:仕事や勉強中の環境音を抑えるのにも役立つ。
注意点
ANCの機能を使う上での注意点は次のとおり。
- 電池消費:ANC機能を使用するとバッテリーの消耗が早くなる。
- 一部ノイズは残る:完全な無音にはならず、特定の周波数の音が打ち消されやすい。
おすすめのANC搭載機種
アクティブノイズキャンセリングは、通勤やリラックス時に非常に便利な技術だ。
ここからは、2024年現在でおすすめのノイズキャンセリングイヤホンをいくつかご紹介する。用途や予算に合わせて選んでほしい。
選び方のポイント
ANC搭載モデルを選ぶ上でのポイントは次のとおり。
- 使用環境: 飛行機や通勤など、騒音が多い場所なら強力なANCが必要。
- デバイスの相性: AppleユーザーならAirPods Pro、AndroidならSonyやBoseがおすすめ。
- 予算: 高性能モデルは高額だが、中価格帯でも十分な性能の製品が増えている。
高性能モデル(予算に余裕がある方におすすめ)
- Sony WF-1000XM5
- 特徴: 業界トップクラスのノイズキャンセリング性能。新しいプロセッサにより、細かなノイズまで効果的に低減。音質もクリアで深みがある。
- バッテリー: ANCオンで約8時間。
- 価格帯: 約40,000円。
- おすすめポイント: 音質とノイズキャンセリングのバランスが非常に優れている。
- Bose QuietComfort Earbuds II
- 特徴: 非常に強力なノイズキャンセリング機能で、特に飛行機やカフェなどの騒がしい環境に最適。音質も高評価。
- バッテリー: ANCオンで約6時間。
- 価格帯: 約45,000円。
- おすすめポイント: 特に低音域のノイズキャンセリングに強い。
- Apple AirPods Pro(第2世代)
- 特徴: Appleデバイスとの相性が抜群。改良されたH2チップにより、ノイズキャンセリング性能が向上。
- バッテリー: ANCオンで約6時間。
- 価格帯: 約39,800円。
- おすすめポイント: Apple製品を持っているユーザーにとって最適な選択。
中価格帯モデル(コストパフォーマンス重視)
- Anker Soundcore Liberty 4 NC
- 特徴: 高性能なノイズキャンセリングと優れた音質を手頃な価格で実現。専用アプリで細かい設定が可能。
- バッテリー: ANCオンで約10時間。
- 価格帯: 約15,000円。
- おすすめポイント: 価格以上の性能を求める方に最適。
- Jabra Elite 7 Pro
- 特徴: ノイズキャンセリング性能と快適なフィット感が魅力。通話品質も高く、ビジネス用途にも適しています。
- バッテリー: ANCオンで約8時間。
- 価格帯: 約20,000円。
- おすすめポイント: 通話用途が多い方におすすめ。
エントリーモデル(初めて試す方や予算を抑えたい方に)
- Anker Soundcore Life P3
- 特徴: コストを抑えつつ、効果的なノイズキャンセリングを搭載。音質も十分良好。
- バッテリー: ANCオンで約7時間。
- 価格帯: 約8,000円。
- おすすめポイント: 初めてノイズキャンセリングを試したい方に最適。
- EarFun Air Pro 3
- 特徴: 手頃な価格ながら、ノイズキャンセリングと音質のバランスが良い。低遅延モードも搭載。
- バッテリー: ANCオンで約9時間。
- 価格帯: 約10,000円。
- おすすめポイント: コスパを重視する方に。
まとめ
今回は、知っているようであんまり知らない、アクティブノイズキャンセリング(Active Noise Cancelling, ANC)の仕組みについて解説をした。
ANCとは、周囲の騒音を低減するために使用される技術で、主にヘッドホンやイヤホンに搭載されており、音楽や通話をよりクリアに聞けるように設計されている。
今回紹介したANC搭載機を参考に、自分に最適なモデルを選び、快適な音楽ライフを楽しんでもらえたら幸いだ。