今回は確率、統計、データ分析を使ってコンサルタントや作家、そして登録者44万超えの人気ユーチューバーとして活躍している、サトマイさんこと佐藤舞さんの書かれた「あっという間に人は死ぬから「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方」について解説をしていく。
この本は一言で言うと、「あなたの時間がいつも足りない原因」を教えてくれる本だ。
今回はこの本を通して、この「時間を食べつくすモンスター」を倒し、あなたの本当にやりたいことをやる時間を手に入れる方法、を取り戻す方法を学んでいきたいと思うから、最後まで読んでいってくれると嬉しい。
やりたいことがあるのに何故かやる時間がない
現代を生きる俺たちは、毎日仕事や家事、育児、飲み会、ご近所づきあい、PTAなんていう、本当はやりたくない作業に追われていて、「今日もやりたいことができなかったなぁ」って思っている人も多いと思う。
やりたいことを思い出してみてほしい
ここで1つ質問なんだけど、あなたがこういった作業ではなく、本当にやりたいことを思い出してみてほしい。
「1人で海外旅行に行って現地の人達と触れ合って文化を学んでみたい」とか、「今年こそはダイエットを成功させて、彼氏を作ってハッピーな1年にするんだ」とか、「今の職場は給料低いし、やりがいも感じないから転職活動を始めようかな」とかだ。
何故かやりたいことができない
本当は誰もがこういった自分のやりたい事に挑戦をしてみたいと思っていると思うんだけど、実際にできている人は少ないと思う。
「1人で海外旅行は危険だしお金もないから今はいいや」とか、「ダイエットはしたいけど、ランニングは日焼けするしジムに行くのもお金がかかるから今はいいや」とか、「転職の勉強をしてみたけどちょっとSNSの通知が気になって見てみたらいつの間にか1時間経っていた」とか。
何故かやりたいことができないっていう経験が誰にでもあると思うんだ。
時間を食べつくすモンスターの正体
まず最初に結論からではあるんだけど、あっという間にやる気がなくなって時間ばかり浪費してしまう原因、つまりこの「時間を食べつくすモンスターの正体」は、自分を欺いて生きる自己欺瞞と「死・孤独・責任」という3つの苦痛から俺たちは目を背けて生きていることが原因になるんだ。
第1のモンスター「死」
まず1つ目は「死」になるんだけど、これは想像しやすいことだと思うんだけど、人間誰だって死ぬのは嫌だし、怖いことだから、目をそむけたくなるのも当然のことだと思う。
「死」は本質的な恐怖
小学生の頃を思い出してみてほしいんだけど、誰でも1回は、「自分が死んだらどうなるのか」、「一生まっくらな世界で生きていくのか」とか想像をしたことがないだろうか。
親に聞いてもその答えは教えてくれないし、誰も答えを知らない、でも、確実に自分もいつかは死んでしまうっていうのを意識して、無性に怖くなった経験はないだろうか。
小学生でもそういったことを思うくらい、「死」っていうのは本質的な恐怖だから、そういった怖いことを毎日意識していたらトンデモないストレスになってしまうから、そういった身の危険から自分を遠ざけるために、俺たちの体はあえて「死ぬこと」を考えないようにできているんだ。
ただ、この「死」の恐怖から目を背け続けていると、何が起こるのかと言うと、あっという間に死んでしまうんだ。
死ぬ瞬間の5つの後悔
実際に緩和ケア介護人であるブロニーウェアさんの書かれた、「死ぬ瞬間の5つの後悔」という本には、死を直前にした人たちが語った後悔についてまとめられている。
- 自分に正直な人生を生きればよかった
- 働きすぎなければよかった
- 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
- 友人と連絡を取り続ければよかった
- 幸せをあきらめなければよかった
死ぬ間際に初めて後悔をする
こういったことは、本当は今すぐに取り組むことができるハズなんだけど、実際は自分が末期がんになって余命を宣告されて、いよいよ死ぬって時になって初めて後悔をするんだ。
ああ、やっておけば良かったなって。
死から目を背けるとあっという間に死ぬ
つまり、何がいいたいのかというと、俺たちは多分80歳まで生きることができるから、「今やらなくても大丈夫だ、直ぐに死ぬわけじゃない」っていう風に「死ぬこと」から目を背けていると、本当にやりたかったことを何一つできずに、あっと言う間に死んでしまうっていうことなんだ。
これが時間を食べつくすモンスターの中でも一番厄介なモンスターの正体だ。
第2のモンスター「孤独」
そして次は「孤独」になるんだけど、「孤独」とか独りぼっちっていうのはなんとなくネガティブに感じることだと思うんだけど、孤独な時間っていうのは必ずしも悪いことではないんだ。
孤独を避けると自分のやりたくないことをしてしまう
例えば、孤独を避けるがあまり、「別に行きたくはないんだけど職場の飲み会に誘われたら必ず行きます」とか、「友達と旅行に行く際に、北海道に行きたいんだけど相手に合わせて沖縄に行く」とか、そういった、孤独になるのを避けて自分の意志とは別の行動をとってしまうっていうの方が良くないことなんだ。
つまり、自分の人生の舵は自分で握らなければならないということなんだ。
自分の船の舵は自分で握る
もし、自分の船に親しくない友達や、職場の上司がわんさか乗り込んでいたら、あっちに行け、こっちに行けって勝手に方向を決めてしまおうとするだろう。
だから自分の船に乗せていいのは、本当に自分が大切な存在、妻とか家族とか、長い付き合いの親友だとか、そういう人達だけでいいんだ。
だから、この「孤独」っていうモンスターは、寂しさの感情に隠れて俺たちの人生を食い尽くしていくから、しっかりと向き合わないといけない相手になるんだ。
第3のモンスター「責任」
そして最後が「責任」になるんだけど。現代を生きる俺たちは、たくさんの責任を負わされているから、できるだけその責任から逃れようと無意識に生きているんだ。
責任逃れの言い訳
自分の意見を言わなかったり、誰かに決断をまかせて、「俺はそんなこと言っていない」って責任逃れをしているんだ。
こういった責任逃れの言い訳は、誰もが無意識のうちに行っているから非常にやっかいなことではあるんだけど、自分にかかわる事なのに、それを誰かに決めさせて自分は責任を取らないっていうことは、意識していないとついついやってしまうことだから、この「責任」っていうモンスターも非常にやっかいな存在になるんだ。
責任から逃げるとあっという間に死ぬ
そうこうしているうちに自分の本当にやりたいこと、つまり自分の自由な選択に対しても責任が生じるから、なかなかそれを主体的に取り組むことができずに、あっという間に死んでいってしまうんだ。
モンスターの正体は「自己欺瞞」
このように俺達は死や孤独、責任という3つのモンスターを見て見ぬふりをして避けようとしている。
そしてこの3つのモンスターから目を背けるために、自分の行動を正当化したり、自分で自分に嘘をつく行為を「自己欺瞞」というんだけど、この自己欺瞞こそが、俺達の時間を食い尽くす真のモンスターの正体なんだ。
自己欺瞞の例①
自己欺瞞に陥ってしまう例を挙げるんだけど、例えば恋人と一緒にご飯を食べている時に、相手の携帯に通知が入ったとする。
相手はちょっと見てスマホをしまうんだけど、浮気を疑って相手のスマホを逐一チェックするようになる。
もちろんこれは良くないことではあるんだけど、自己欺瞞に陥った人は自分を正当化するために「だって疑われるような行動をしたあなたが悪いんでしょ?私は悪くないわ」って言い始めるんだ。
事後欺瞞の例②
本当は自分も子どもが欲しいんだけど、相手の意見を尊重するフリをして、「子どもが欲しいか」ってパートナーに確認をする。
でも、肝心な自分の意見は言わなかったりはぐらかしたり、「俺は今はどっちでもいいかな~~」みたいなことを言って、あたかも子どもは相手が欲しいから作ったんだっていう状況を作り上げるんだ。
それで、子どもが産まれてから、何か問題があった時に自分を正当化して「俺は別に子どもなんて欲しくなかった。」って言い始めるんだ。本当は自分も子どもが欲しかったのに。
自己欺瞞は自分を正当化するための嘘
こうやって自分を正当化して相手や自分自身を欺くこの自己欺瞞に陥ったら、いくら時間があっても足りないんだ。
常に自分と相手に嘘をつき続けて、本当に自分のやりたいことから逃げ続けてしまうのが、この自己欺瞞、つまり俺たちの時間を食べつくすモンスターの正体なんだ。
モンスターを倒す方法
じゃあ実際にどうすればこの強力なモンスター「自己欺瞞」を倒すことができるんだよっていう具体的な方法について説明をしていくことにはなるんだけど、それが、死や孤独、責任を当たり前のものとして受け入れることになるんだ。
死や孤独、責任を当たり前のものとして受け入れる
死や孤独、責任を直視していないことが、私達が大事な行動を先延ばしにしてしまう原因なのであれば、当然その3つを直視して受け入れることが大事になってくる。
繰り返しにはなるんだけど、死ぬことから目を背けて生きていると、本当に大切なことやりたいことがあったとしても、まだまだ時間があるからいいやと先延ばしにしてしまうんだ。
常に死を直視しなくてもいい
ここで1つ注意をしてもらいたいのが、この本では常に「死ぬこと」を意識しろって言っているわけではないんだ。繰り返しにはなるんだけど、そんなことをしていたら逆に自分の精神がすり減ってあっという間に死んでしまうからだ。
誘惑に負けそうになった時に思いだす
だから、自分の人生を生きる中でやりたいことを見つけた時に、必ず「でもあとでやればいいか」っていう誘惑に負けそうになるから、そんな時に思い出してほしい。
「でも俺たちはすぐに死ぬかもしれないから、やっておくか」っていうことを。
死を直視するのは難しい
ただ、これは実際に中々難しいことだと思うんだよね。
俺も、自分の親父がガンだって診断されても、すぐに死ぬわけじゃないだろうってタカをくくっていたら、末期ガンで余命1か月が宣告されてあっという間に死んでしまったんだ。
でもだからこそ伝えたい、「人はあっという間に死んでしまうから、後悔がないように今を大事に生きてほしい。」っていうことを。
孤独や責任と向き合う
そして、孤独や責任といった、苦しいことから逃げ続けるのではなく、しっかりと向き合っていかなければいけないんだ。
そうしないと自分の人生と言う船は、どうでもいい人たちの意見で流されて行って、本当は行きたくもない場所に寄り道をして、自分の人生の目標つまりゴールにいつまでたってもたどりつけないことになるからだ。
この死、孤独、責任という3つの恐怖と戦うことつまり、しっかりと向き合うことが、この時間を食べつくすモンスター「自己欺瞞」を倒すことができる唯一の方法になるんだ。
自分の価値観を知る
ここまでがこの本の前半部分になるんだけど、じゃあそもそも自分の人生って一体何なんだっていうことがしっかり定まっていないと、モンスターを倒す動機がそもそもなくなってしまうから、ここからは自分の「価値観」を持つ方法について解説をしていきたいと思う。
価値観とは
まず、自分の価値観を知る方法を説明する前に、そもそも価値観って一体何なんだっていうところからにはなるんだけど、価値観とはつまり人生の目的のことだ。
俺の価値観
例えば、俺は自分のこれまでの生き方とか、どういったことを体験してきたとかっていうことを、たくさんの人に知ってもらいたいっていう「価値観」があるんだけど、これは人生の大きな目的になる。
目的と目標と手段
目的は「方向」、目標は「中間地点」、手段は「経路」に言いかえることができる。
目的を達成するための1つのゴールとして設定するのが「目標」だ。
例えばユーチューブで登録者1万人を達成するっていうのが俺の今の短期的な目標ではあるんだけど、それを達成する手段が「動画を毎週投稿すること」とか「面白い動画を作ること」になるんだ。
自分の価値観を知る方法
そしてここからは、具体的に自分の価値観を知る方法について解説をしていく。
自分の価値観を知るヒントは2つあって、「過去の困難な体験」と、「子どもの事に夢中になっていたもの」を思い出してみることになる。
過去の困難な体験
ここからは本書と同じように、ワーク形式でをとっていきたい。
あなたの「自分の人生に起きた困難な体験は何だったのか?」っていうのを思い出してみてほしい。
質問①過去の困難な体験は何だったか
俺の場合は異動した先の職場の上司を上手くいかなかったことにはなるんだけどその上司は結構権力を持っている人だったし、俺は毎日のように怒られていたんだ。
結構理不尽なことばっかりで、どうでもいいことでも怒られまくるし、平気で2時間ぐらいたちっぱなしにされてたりしたんだよね。だからその時の俺はこう思っていたんだよね。
「どうせこいつはパワハラで処分されたり、誰かが人事に言って助けてくれるだろうって」
でも2年間。誰も助けれくれませんでした。
マジで地獄の日々。みんな俺が目をつけられているのを知っているから、今まで話してくれていた人たちも俺のことを避けるようになったし、誰にも相談できない日々が続いたんだよね。
質問②困難な体験から学んだ事
結局俺は次の異動先で何とか復活をしたんだけど、この出来事から学んだのは、いざと言うときは誰も助けてくれないし、自分のチカラで何とかしないといけないんだっていうことなんだ。
あの出来事は本当に辛いことではあったんだけど、この経験が、今こうやってブロガーやユーチューバーとして活動をしている理由の一つになっているのは間違いないと思うんだ。
子どもの頃に夢中だったこと
そしてもう1つが「子どもの頃に夢中だったこと」ではあるんだけど、これはできれば15歳くらいまでの経験について思い出してみてほしい。
質問①子ども頃に夢中だったこと
俺の場合、小学生の頃何やっていたか思い出すと、夏に結構虫取りしていたなって思う。
友達と行く時もあるし、一人で行く時もあったんだけど、セミとかカマキリとかトンボとかバッタとかコオロギとか、学校が終わったらずっと追い回していたような思い出がある。
質問②家族や先生に褒められたこと
あんまりないと思うんだけど、音楽の時間にデカイ声で歌っていたこととか、電話の言葉遣いが大人っぽいって言われて嬉しかった記憶がある。
質問③影響を受けた友人や大人は誰か
あんまり思い浮かばない。
そりや、親父とかよく遊んでいた友人っていうことにはなるんだけど、何かすごいカッコイイって思っていたりとか、憧れていたわけでもないから、そういう人がいたかって言われると、特にいなかったんじゃないかなと思う。
過去の困難な体験や思い出が価値観を作る
俺の場合はちょっとはっきりしなかったけど、こういった過去に直面した困難な体験とか、子どもころに体験をして今でも覚えていることっていうのは、本能的に自分が大切にしていた感情や行動を知ることができるんだ。
今回は質問をに絞ったけど、本書ではこれ以外にも自分の辛い経験や子供の頃の体験を通して自分の価値観を知るためのワークがたくさん載っているから、気になった人は是非実際に手に取ってみて、自分の価値観を深堀してみてほしい。
自分の価値観は変わっていくもの
長くなったけど最後は「自分の価値観や目的は変わるもんだ」っていうことについて説明をしていく。
趣味嗜好のように価値観も変わる
例えば、若い頃にハデな革ジャンを着ていても、段々と年を取るごとにユニクロの落ち着いた服を着るようになったり、アウトドアが好きだったのに、家で読書やドラマを見ていることが多くなってくるように、自分の好き嫌いと一緒で、価値観や人生の目的も日々変化をしているからだ。
大事なのは自分のやっている行動がしっくりこなかったり、違和感を感じたら価値観がずれている可能性が高いので、その都度、自分の価値観を見直してみてズレを調整していくといいんだ。
そうすればまたしっくりくる価値観や目的、そして何をするべきなのかということが見えてくるだろう。
週に1回は自分の価値観を見直してみる
だから、自分が持っている価値観や目的っていうのは、日々変わっていくものだから、無理にその価値観や目的に固執する必要はないんだ。
一度立てた目標だからやり切らなければと思って、本当はやりたくもないことに取り組み続けているのは辛いことだ。だから、何かしらの違和感を覚えた時点で立ち止まって、自分の方向性を修正することも大事なんだ。
この本ではできれば週に1回は見直すといいと書かれているんだけど、そうやって日頃から自分の進むべき方向をこまめに確認すると、間違いに気が付いた時に、時間のロスを減らすことが出来るようになるんだ。まさに登山と一緒だね。これは。
まとめ
最後にまとめになります。
この本ではまず、俺たちの時間を食べつくすモンスターの正体が、自分を正当化して、他人や自分自身を欺く自己欺瞞であること、そして、自己欺瞞を倒すためには「死・孤独・責任」という3つの理を直視しなければならないということを学んできた。
そして、そもそも自分の人生の価値観とはいったい何か、その見つけ方については、過去の辛い経験や、子どもの頃の体験を深堀りすることで、自分が大切にしていることを知ることができると学んだ。
そして、一度設定した価値観も日々変化をしていくものだから、それに固執することなく、週に1度は見直した方がいいということになる。
よくビジネス本では、効率的な時間の使い方として、選択と集中が挙げられるんだけど、本書で重要視していることは、まず自分の価値観をつまり自分が運転しているバスの進むべき方向を定めることなんだ。
そしてその目的地は変更しても構わない。そのバスには不安とか恐怖とか、楽しいとかっていうあなたの内心を表したたくさんの乗客が乗っているんだけど、その客の言っていることに時には耳を傾けたり、時には黙らせたりして自分の進むべき方向を誤らないことが重要だと説いているんだ。
なので、個人的な意見にはなるんだけど、自分の本当にやりたいことを見つけるためには、人に遭ったり、外に出たり、何かしらの刺激を受けることが大事なんだと思う。
かくいう俺も登山にハマっていた時は山岳インストラクターの資格を取ろうかとか、仕事を止めて山小屋のバイトでも始めようかとか、沖縄で沢登りのツアーに参加した時は、こういうインストラクターの仕事カッコイイな、いいなぁ。って思った記憶がある。
だから自分がこれからどうすればいいんだろうって悩んだ時は、やっぱり何かしらの体験が必要なんだと思う。
だから、できるだけ外に出て刺激を受けて、それに対して自分がどう感じたのか、楽しいと感じたのか、つまらなかったのかっていう経験が、自分の価値観を作っていくことになると思うんだ。
本書では、今回紹介したこと以外にも、自分の価値観を知るために役立つ統計学や心理学の話、著者であるサトマイさん自身の経験談についても書かれているから、この本の内容が気になった人は是非手にとってみてもらいたい。
今回も最後まで読んでくれて感謝。