今回はSOUNDPEATS製のイヤーカフイヤホン「SOUNDPEATS CC」のレビューをしていきたいと思う。
前回レビューした「Anker Soundcore C30i」がイマイチ微妙だったんだけど、同じ価格帯のイヤホン同士を比較することで、よりイヤーカフ型イヤホンについての知見を深めていきたい所存。
結果としては、今回紹介する「SOUNDPEATS CC」は、イヤーカフイヤホンとしては最高におすすめできる1台だと思う。
SOUNDPEATSとは

まず、弊ブログでは「SOUNDPEATS」を初めて紹介するので、簡単に「SOUNDPEATS」について触れておこうと思う。
「SOUNDPEATS(サウンドピーツ)」は、中国の深センで2010年に設立された、主にワイヤレスイヤホンを専門とするブランド。会社名っぽいんだけど、公式HPとか見ても「ブランド」って書くだけで、イマイチわからない。
深センは中国のシリコンバレーとも呼ばれる電子機器の製造拠点が集まる都市で、「ANKER」や「EarFun」の創業地としても知られている。
「SOUNDPEATS」のイヤホンは、高品質な音質とコストパフォーマンスの良さを追求しているらしい。つまり、かつてのANKERのような存在。
SOUNDPEATS CC PearlClip Pro スペック表

まず最初に、「SOUNDPEATS CC 」 の、おおまかなスペックを把握しておこう。
比較対象として「Soundcore C30i」も載せる。
特徴 | SOUNDPEATS CC | Soundcore C30i |
---|---|---|
![]() | ![]() | |
実勢価格 | 7,280円 | 7,990円 |
装着方式 | イヤーカフ型 | イヤーカフ型 |
ドライバーサイズ | 12mmデュアルドライバー | 12mm*17mm |
充電端子 | USB Type-C | USB Type-C |
再生時間(単体) | 6時間 | 10時間 |
再生時間(ケース) | 24時間 | 30時間 |
ワイヤレス充電 | 不可 | 不可 |
マルチポイント | 対応 | 不可 |
防水防滴 | IPX5 | IPX4 |
重量 | 約5g(片耳)/約47g (充電ケース込み) | 約5.7g(片耳)/約60g (充電ケース込み) |
「SOUNDPEATS CC」の定価は7,280円だが、アマゾンで大体800円オフのクーポンが配られているので、実際は6,500円程度で購入することができる。
ドライバーは12mmデュアルドライバーで音質がよさそう。
再生時間は6時間と、C30iと比べれば短いが、一日使っていても充電切れになることはないだろう。
SOUNDPEATS CC 外観・付属品

「SOUNDPEATS CC」の中身はこんな感じ。
付属品として、保証書、説明書と、USB-A to C ケーブルが1本。あと謎に可愛いシールが付いてくる。遊び心。
「Soundcore C30i」の場合、調節用のスペーサーが付いていたんだけど、本機には付属しない。

その理由は後述する。
イヤホンケース

イヤホンケースはツルツルした素材感。楕円形で平べったい形。

「Soundcore C30i」と比べるとこんな感じ。

厚さが若干「SOUNDPEATS CC」の方が薄いので、握った時のサイズ感としては「SOUNDPEATS CC」の方が小さく感じる。

正面にはインジケーター。インジケーター右の銀色の部分はただの装飾。

背面には充電用のタイプC端子が付いている。
イヤホン本体

ケースを開けてみるとこんな感じで本体が収まっている。
かなり取り出しやすい構造になっていて、右のイヤホンを右手で取れば右耳に、左のイヤホンを左手で取れば左耳に、自然に方向が合うようになっているから、慣れれば装着の手間はそんなに煩わしくない。

商品名の「SOUNDPEATS CC」の由来にもなっているのがこの形状。
マットな質感のフレームとツルっとした素材で、安っぽさはない。

全体を比べてみるとこんな感じ。

イヤホン本体のサイズ感は「ANKER SOUNDCORE C30i」とほとんど変わらないが、「SOUNDPEATS CC」の方がフレームが細いので、少し小さめな印象を受ける。
「ANKER SOUNDCORE C30i」はゴツくて男性向け、「SOUNDPEATS CC」は女性に似合うデザインな印象。

このイヤホンの地味に凄い所は、イヤホン本体に左右の概念がない(2つとも全く同じ形)。
ただし、そのままだとステレオ音源(左右で音量が違う)を聞いた時に左右が逆になりかねないが、ケース本体に戻した時に、右に収まったのが右耳用、左に収まったのが左耳用になるよう、都度設定される。

安いイヤホンだと、この左右検出がなくて、イヤホンを付けて音楽を聴いた後じゃないと左右が判別できないから、地味に凄い機能。
装着感

「ANKER SOUNDCORE C30i」と比べて、大きく違うと感じるのが装着感だ。
イヤホン本体が柔軟性のある素材でできているので、耳の形に合わせてフィットしてくれる作りになっている。
C30iは、素材が硬いプラスチック製でできていて、耳に着けるとどうしても「挟まれている感」があるから、長時間使用していると耳が痛くなってくる。

一方で「SOUNDPEATS CC」の場合は柔軟性があるから、耳が痛くなりづらく、快適に使用することができる。
実際に装着した感覚としてはかなり良くて、だいぶ柔軟性が高いから、どんな耳でもある程度フィットしてくれるポジションを見つけることができるんじゃないだろうか。
装着感
- SOUNDPEATS CC
柔軟性のある素材で、耳が痛くなりづらい - ANKER SOUNDCORE C30i
固い素材で長時間の使用には向かない
音質

そして、最も気になる音質面なんだけど、これは正直に「凄い」と思った。
「SOUNDPEATS CC」音質の良さはカナル型イヤホンに引けを取らない。感覚としては「Soundcore P40i」で聞いている感覚に近い。
低音ばっちり、ボーカルもクリア。
「そんな大げさな」と思うかもしれないんだけど、これがマジの大本気。
こればっかりは実際に使ってみてもらわないとわからないから、伝えることが難しいんだけど、SOUNDCORE C30iの時は「ああ、意外と音質いいね」って思ったんだけど、やっぱり音が少し遠くで鳴っているなっていう印象だった。
SOUNDPEATS CCは、「え、マジで?」っていう感じ。ちゃんと音楽を聴くイヤホンとして成立している。
音質
- SOUNDPEATS CC
カナル型イヤホンにも負けない音質と没入感。かなり驚き。 - ANKER SOUNDCORE C30i
意外と良いが、少し遠くで音がなっている感覚。SOUNDPEATS CCとの差は明確に感じる。
マイク音質

通話の際に重要となるマイク音質だが、騒音のない環境の場合では問題なかった。
本機はノイキャンが付いていないが、マイク使用の際は多少ノイキャンが効いているらしいんだけど、ノイキャン付きのカナル型イヤホンと比べれば、騒音環境ではかなり雑音が入ってしまうので、通話をする際は場所を選ぶ。
スマホとの接続方法

サウンドピーツのイヤホンとiPhone との接続はとてもスムーズ。
- iPhone の設定 ▷ Bluetoothをオン
- イヤホンケースの蓋を開ける
- 接続先の候補に機器名が表示される
またアンドロイドスマホ向けには、Google Fast Pair に対応していて、iPhone と同じような感覚で接続することができる。
接続方法が簡単なのは、ワイヤレスイヤホン初心者の人にとっても心強い限りだ。
操作方法

タッチコントロールの割り当てやイコライザ設定は、専用アプリ「PeatsAudio」で設定が可能だ。
イコライザ設定は、プリセットで「ダイナミックEQ」っていうのが割り当てられていて、他にもいくつかイコライザ設定があるんだけど、個人的にはこの「ダイナミックEQ」が一番聞きやすかった。
タッチコントロール割り当てについては、プリセットは下記のとおりで、それぞれアプリで設定変更が可能だ。
プリセット
- 再生/停止
L or R側を2回タップ - 曲送り
R側を長押し - 曲戻し
アプリで反映 - 音量を上げる
R側を1回タップ - 音量を下げる
L側を1回タップ - 外音モードの切り替え
L側を長押し - 音声アシスタント
R側を3回タップ - 低遅延モード
L側を3回タップ - ペアリングモードへの移行
充電ケース裏側のボタンを3秒間長押し
SOUNDPEATS CC の良いところ

ここまでの内容を踏まえて、「SOUNDPEATS CC」の良いところをまとめると次の通りだ。
- 音質が良い
カナル型イヤホンに匹敵 - 装着感が良い
イヤーカフ型イヤホンのメリット - 周囲の音が聞こえる
音量をは小~中くらいが推奨 - 耳を圧迫しない
カナル型イヤホンが苦手な人向け
音質が良い

まずこのイヤホンを使用して驚いたのが、その音質の良さだ。
「SOUNDCORE C30i」も、まぁまぁいいじゃんって思ったんだけど、「SOUNDPEATS CC」はちょっと別格。
カナル型イヤホンに勝るとも劣らない、音質の良さと没入感。それでいて周囲の音はちゃんと聞こえるので、正直かなり驚いた。
勿論、イヤーカフ型イヤホンを使う時点で、そんなに音質は求めなくても良いと思うんだけど、これくらいの音質で音楽を聴けるのであれば、カナル型イヤホンとは別の選択肢としてアリだと思う。
周囲の音が聞こえる

イヤーカフ型のイヤホンの売りとして、耳をふさがないので周囲の環境音を聞きながら使うことができるのがメリットだ。
ただし、勿論、音量をデカくし過ぎると意味がないので、小~中の音量で聞くのがベストだ。
デカい音で音楽を楽しみたいのであれば、カナル型イヤホンをおすすめする。
装着感が良い

本機は柔軟性のある素材でできているため、耳の形に良くフィットしてくれる。
それ故に、長時間使用していても耳が痛くなりづらいのが非常に良いところだ。
耳を圧迫しない

実用上、これがイヤーカフ型イヤホンを選ぶ最大のメリットになる。
カナル型イヤホンだと、どうしても耳を圧迫することで気密性を高くしようとするから、違和感を感じる人もいると思う。
一方で、イヤーカフ型イヤホンは耳を圧迫しないからそういった心配がない。
体質的にカナル型イヤホンがダメな人でも、これなら大丈夫だと思う。
イマイチな点

逆に、イマイチな点は次の通りだ。
- 音漏れ
音量をデカくすると音漏れする
音漏れ

イヤーカフ型イヤホンの宿命として、どうしても音漏れは発生する。
実際に試してみると、静かな部屋なら、音量が「中」ぐらいで音漏れを感じることができる。
街で歩きながら使う分には良いが、例えば図書館みたいな静かな環境や、電車の中で大音量で使っていれば、周囲の迷惑になるので、場所と音量には配慮して使った方がいいだろう。
まとめ

とうわけで、今回は初のイヤーカフ型イヤホンのレビューとして「SOUNDPEATS CC」を実際に使ってみた。
前回の「SOUNDCORE C30i」が微妙だっただけに、あんまり期待をしていなかったんだけど、良い意味で予想を裏切られた。
音質はカナル型イヤホンに引けを取らないし、イヤーカフ型イヤホンのメリットである装着感も良かった。
この完成度であれば、例えば家で家事をしながら使ったり、カナル型の耳の圧迫感が気になる人にとって有力な選択肢となるだろう。
とはいえ、現状、カナル型で満足している人が、このイヤホンをわざわざ買う必要もないというのもまた事実だ。
ただ、もしイヤーカフ型イヤホンってどんなだろうなと興味がある人は、この一台はおすすめできる一台なので、検討してみてはいかがだろうか。
というわけで今回の記事は以上だ。最後読んでくれて感謝。