今回はANKERの大人気モバイルバッテリーAnker Power Bank (30W, Fusion, Built-In USB-C ケーブル) をレビューしていきたいと思う。
このバッテリーを一言で言うと、「全部入り」モバイルバッテリーだ。
充電用のプラグ、給電用のケーブル、そしてモバイルバッテリーの機能を有していて、とりあえずこれだけ持っていけば何とかなるっていう安心感がメリットだ。
今回は、この全部入りモバイルバッテリーの性能についてレビューをしていく。
スペック
まず初めに「Anker Power Bank (30W, Fusion, Built-In USB-C ケーブル) )」のスペックを確認していく。
特徴 | Anker Power Bank (30W, Fusion, Built-In USB-C) |
---|---|
![]() | |
価格 | 5,990円(税込) |
バッテリー | 5,000 mAh |
搭載ポート | ビルトインUSB-C x 1、USB-C x 1 |
入力 | 最大10.5W(5V⎓2.1A) |
出力(充電器) | 最大30W (2ポート合計18W) |
出力(モバ充) | 最大20W (Huawei機器のみ22.5W) (2ポート合計15W) |
サイズ | 約83 x 50 x 31mm |
重量 | 200g |
バッテリー容量の5,000 mAhはiPhoneを1回満タンまで充電できるかどうかといったところ。
USB-C 2つ付いているため、スマホやガジェットを2台まで同時充電が可能だし、ACプラグ一体型なので、就寝時にも同時に2台充電ができる。
注意点として、本機への給電性能は約10W程度と低い点。これはUSB-Cで給電した場合も、ACプラグで給電した場合も同様だ。
外観・付属品

商品の内容は非常にシンプルで、本体と取扱説明書、保証書のみ。

5,000 mAhのモバイルバッテリーとしては大きいし重いが、プラグとケーブル付きな点を考慮すればコンパクトだと思う。
何より、この1台だけあれば大丈夫という安心感が強い。

ストラップ式のタイプCケーブルはこんな感じ。勿論、充電と給電どっちのも対応している。

ストラップ式のケーブルは、脱着可能なものもあるけど、本機は取り外し不可。
一度ケーブルを外してそのままにしてしまうと本末転倒だから、このコンセプトでいいと思う。
ただし、構造上、ケーブルが短いのが難点ではある。

ACプラグはこんな感じで収納できる。
本機はモバイルバッテリーとしてだけでなく、急速充電として使用が可能な点が売りで、ACプラグを使って充電する場合は、ガジェットへ30Wでの充電ができる。
注意点として、モバイルバッテリーとして利用する場合は最大20W(Huawei機器のみ22.5W)の出力になる。

側面にはもう1つタイプC端子があるので、ケーブルを1本足せば同時に2台まで充電をすることができる。

急速充電として使用する場合は2台合計最大18W、モバイルバッテリーとして利用する場合は2台合計最大15Wで、若干差がある。

側面の電源ボタンを押すと、正面のディスプレイに残量が表示される。
ただ、ちょっと傷が目立ちやすい材質だし、単純にインジケーターにして、更に軽量化を図ってくれたほうが嬉しいかも。

実測の本体重量は202g。
流石に同じ5,000 mAhのモバイルバッテリーだと100g前後なので、どうしても重い。
ただし、最軽量の急速充電器がだいたい40gで、それにケーブルの重さを考慮すれば、200gは及第点だろう。
ただし、やはりモバイルバッテリーとして使用することも考えると、もうちょっと軽くあってほしいというのが正直な感想だ。
機能検証

ここからは、本機の急速充電機、そしてモバイルバッテリーとしての機能を検証していく。
入出力の性能は次のとおりだ。
Anker Power Bank (30W, Fusion, Built-In USB-C) | |
---|---|
![]() | |
搭載ポート | ビルトインUSB-C x 1、USB-C x 1 |
入力 | 最大10.5W(5V⎓2.1A) |
出力(充電器) | 最大30W (2ポート合計18W) |
出力(モバ充) | 最大20W (Huawei機器のみ22.5W) (2ポート合計15W) |
急速充電機として使用した場合(出力30W)と、モバイルバッテリーとして使用した場合(出力20W)で、出力が異なる点に注意しよう。
入力

まずはバッテリー本体への充電性能を確認していこう。
本機の入力は、カタログスペック上は最大10.5W(5V⎓2.1A)である。
ACプラグで充電した場合はもちろん、タイプC端子を介して充電をした場合も、おおよそ同程度の入力になる。

実測した結果が画像のとおりで、スペック通り約10Wの入力だった。
ACプラグでバッテリー本体へ充電すると、100Wくらいの速度で充電してくれるんじゃないかというイメージがあるんだけど、実際はそんなことはなく、なんなら10Wで結構低速。
しかも、充電器として使用する場合は、出力30W出るので、本機だけに充電をする方がなぜか速度が遅い。不思議。
ACプラグで充電をした結果が次の通り。
おおよそスペック通りの18W(9V⎓2A)に近い結果を得ることができた。
出力

次にスマホ等への給電性能を確認していく。
本機はタイプCポートが2つ付いているので、それぞれのポートごとに確認をしていく。
急速充電機と、モバイルバッテリーとして使用した場合で結果が異なるので、それぞれ分けて結果を示す。
急速充電器の場合

急速充電器として利用した場合の最大出力は、カタログスペック上30W。
しかしながら、ちょうどいい(30Wでの充電ができる)ガジェットがなかったため、実測値を検証することができなかった。
これからも充電器レビューは続けていきたいので、負荷装置付きのテスターの購入を検討します。
モバイルバッテリーの場合

ビルトインのケーブルでiPhone15に出力をすると、19.36Wでの充電が確認できた。
カタログスペックは単ポート最大20Wなので、ほぼほぼスペック通りの性能。

もう1つのポートから出力をした場合の結果もおおむね20Wでの充電ができた。
2台同時
2台同時に充電をした場合の公称値は、充電器利用の場合で合計18W、モバイルバッテリーとして使用した場合は合計15W。
まずは充電器として使用した場合を確認していく。


結果としては、2台ともほぼ7W程度、つまり合計14Wで同時に充電をすることができた。
検証環境にもよると思うんだけど、公称値18Wから少し差が出たのは気になる。
続いてモバイルバッテリーとして利用した場合を検証しよう。

結果としては、充電器利用とほぼ同じで、2台ともほぼ7W程度、合計14Wで同時に充電をすることができた。
カタログスペックは2台合計15Wなので、ほぼほぼスペック通りの性能。
メリット

ここまでの内容を踏まえて、本機のメリットをまとめると次のようになる。
- 全部入り
- 常に満充電
全部入りモバイルバッテリー

やはり本機の最大のメリットは「充電器」、「ケーブル」、「モバイルバッテリー」の機能を兼ね備えた点だ。
つまり、これさえ持っていけば何とかなるという安心感が非常に良いポイントだと言えるだろう。
例えば、旅行に行く際には大体、「充電器」、「ケーブル」、「モバイルバッテリー」の3種類を用意する必要があると思うんだけど、どれかを持っていくのを忘れたり、そもそも3つ準備するのが面倒くさい。
そんな時でも、本機を1台持っていれば、少なくともスマホの充電には苦労することがないし、ケーブルを1本足すだけで、2人分のスマホを同時に充電することができるようになるので、用意する荷物がグッと減るし、忘れ物リスクが減るのは非常に心強い。
常に満充電で使用できる

また、日頃から本機を急速充電器として利用しておくことで、いざと言うときも、満充電のモバイルバッテリーとして使うことができるのも非常に良い点だと思う。
モバイルバッテリーの欠点として、日頃から充電をしておかないといけないっていうことがあるんだけど、本機をメインの急速充電器として使用することで、常に満充電のモバイルバッテリーを用意できるから非常に合理的な使い方だと思う。
注意点

単体で見れば大きく重い

本機は「充電器」、「ケーブル」、「モバイルバッテリー」の3つの機能を1台で兼ね備えているため、それぞれ単体で見れば、サイズは大きく重量は重いことがネックだ。
例えば、30W単ポート充電器「Anker 511 Charger (Nano 3, 30W)」は、サイズも非常に小さく、重量も40gだ。
なので、モバイルバッテリーとしての機能が不要であれば、そもそも本機を使わずにこういった軽量コンパクトな充電器とケーブルを用意しておけばいいので、本当に本機が必要かどうかはよく考慮して購入を検討してもらいたい。
本体の同時充電はできない

本機のバッテリー残量が足りない場合で、急速充電器として利用する場合、まずは出力先に電力が送られる。
そして、出力先が満充電になった後に、本機の充電が開始される仕様だ。

出力先と、本機が同時に充電されるわけではない点には注意をしよう。
モバイルバッテリーでは20W出力

繰り返しになるが、本機で30Wの出力で充電ができるのは、プラグを挿して急速充電器として利用している場合のみになる。
本体にデカデカと30Wと書かれているが、モバイルバッテリーとして利用する場合は最大20W(HUAWEI製品のみ22.5W)になる点には注意をしておこう。
おすすめの使い方

最後に、本機のおすすめの使い方を紹介して終わりたい。
日常使い

まず、モバイルバッテリーを実用する上で最も厄介なのが、「使いたい時に満充電されていないケースが多い」ことだ。
モバイルバッテリーは使っていないと勝手に放電をしてしまうので、日頃から充電をこまめにしていないと、いざ持ち出した時に残量が少なくて使えなかったということは、あるあるだと思う。
しかし、本機はプラグイン型であり、日頃から急速充電器として利用することで、自然にバッテリー残量を常に満タンにしておくことができる。
これが本機が実用面で非常に良い点だと感じる。
旅行

本機は「全部入りモバイルバッテリー」の名の通り、1台で充電に関するあらゆることを行うことができる。
つまり、これさえ持っていけば何とかなるという安心感が凄いのも非常に良いポイントだ。
例えば、旅行に行く際には大体、「充電器」、「ケーブル」、「モバイルバッテリー」の3種類を用意する必要があると思うんだけど、どれかを持っていくのを忘れたり、そもそも3つ準備するのが面倒くさい。
そんな時でも、本機を1台持っていれば、少なくともスマホの充電には苦労することがないし、ケーブルを1本足すだけで、2人分のスマホを同時に充電することができるようになるので、用意する荷物がグッと減るし、忘れ物リスクが減るのは非常に心強い。
まとめ

というわけで今回は「Anker Power Bank (30W, Fusion, Built-In USB-C ケーブル)」のレビューを行ってきた。
本機は、良いところは「充電器」、「ケーブル」、「モバイルバッテリー」の機能を兼ね備えた点であり、本機さえ持っていれば何とかなるという安心感を得られる点だ。
また、日頃から本機を急速充電器として利用しておくことで、いざと言うときも、満充電のモバイルバッテリーとして使うことができるのも非常に良い点だと思う。
一方で、本体サイズと重量は、どうしてもそれぞれ単体の製品と比較してしまうと大きかったり重かったりするので、自分の使用用途を考慮した上で、購入を検討してもらえればと思う
という訳で今回のレビューは以上だ。最後まで見てくれて感謝。