ガジェットのレビューを始めてから、だんだんと物欲が湧いてくるようになった。
そんな中で見つけたちょっと面白そうな商品が、「ANKER soundcore A30i」だ。

現在主流のワイヤレスイヤホンのケース形状は、四角ないし丸形をしていることが多い。というか99%がそうだ。

そんな中で一線を画す形をしているこの「ANKER soundcore A30i」の面白いフォルムが気になってしまって即ポチしてしまった。
正直カタログスペック上は大した事無いだろうなと踏んではいるんだけど、今回はそんなオシャレな外観に全振りしたイヤホン「ANKER soundcore A30i」のレビューをしていく。
Soundcore A30iの特徴
- ケースがお洒落
口紅のような細長いフォルムで、ぱっと見ワイヤレスイヤホンと思えないフォルム。カラーバリエーションが豊富で女性向けだが、ブラックはガジェット感があって良い。 - 音質は普通
6mmのドライバーで、売れ筋のモデルより小口径。とはいえ、俺の耳では大差なし。 - 機能性はそこそこ
ANCとマルチポイント接続に対応し、IP54で防塵防滴性能もある。ただしANCの性能は低い。 - 惜しい点
スティック型であるなら、直挿し充電に対応してもらいたかった。
そもそも何でこの機体を買ったのかと言うと、愛読させていただいている「こまめブログ」さんの記事で、「Soundcore A30i」のセール情報が紹介されていたんだ。
定価 8,990円の「Soundcore A30i」が、実質3194円で入手できる。そして、スティック型の珍しいワイヤレスイヤホンということで、興味半分でポチってしまったのだ。
正直、カタログスペック的には同じANKERの「Soundcore P40i」に完敗しているから、ネタの肥やしとして買ったし、何ならビジュアル全振りで女性受けを狙ったワイヤレスイヤホンっていうことで、Youtubeでこき下ろしてやろうかと思っていたんだけど、実際使ってみた感想としては、「結構ええやん」っていうのが本音。
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参考【ANKER soundcore p40iレビュー】7,990円のコスパ最強完全ワイヤレスイヤホン
続きを見る
「買う理由が値段が安いからだったら、その商品は買わない方がいい」っていうのは、俺が良く見ているガジェットブロガー兼YouTuberが言った言葉ではあるんだけど、ネタ要素で買ったガジェットが意外とツボにはまってしまった時の感動って言うのは、中々気持ちのいいものがある。
今回はそんな「Soundcore A30i」について俺の正直な感想を書いて行きたいと思う。
タイミングによっては、Amazonのセールとポイント還元が重なって、実質3,000円くらいで買うこともできるから、気になったらチェックしてみてもらいたい。⇒Amazon「Soundcore A30i」
YouTube版も見てね。
Soundcore A30i スペック表
まず最初に、soundcore p40i の、おおまかなスペックを把握しておこう。
特徴 | soundcore p40i |
---|---|
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発売日 | 2024年5月28日 |
価格 | 8,980円 |
装着方式 | カナル型 |
ドライバーサイズ | 6mm |
ANC | 対応 |
外音取込 | 非対応 |
充電端子 | USB Type-C |
再生時間(単体) | 7時間 |
再生時間(ケース) | 24時間 |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
マルチポイント | 対応 |
防水防滴 | IP54 |
重量 | 約3.7g(片耳)/47.4g(充電ケース込み) |
コーデック | SBC,AAC |
正直に言って、スペック上特質するべき点はない。8,990円という価格帯でANCを搭載しているのは、一昔前であれば評価されたかもしれないが、現在のワイヤレスイヤホン市場であれば、いたって普通、むしろスペックが低いと評価されても仕方ないだろう。
少なくともワイヤレス充電には対応をしてほしいところだった。
Soundcore p40iのスペック
- ANC
アクティブノイズキャンセリング機能はあるが、ノイキャン性能は低め。 - バッテリー性能は低い
イヤホン単体で最大7時間、充電ケース込みで最大24時間と、同一価格帯と比較すれば低めなスペック。 - 音質
ドライバーサイズは6mmと小さめ。小口径は低音の再現性が低くなりがち。
oundcore A30i 外観・付属品

相変わらずパッケージはガジェット感満載のANKERブルー。
パッケージ前面には大きく「COMPACT LIPSTICK SHAPE」と、でかでかと表示されていて、直訳すると「小型の口紅型」

開封するとこんな感じ。イヤホンケースが際立って細長い。とてもワイヤレスイヤホンには見えない。
付属品は充電用のUSB-A to C ケーブル(30cm)とイヤーピース。

交換用のイヤーピースはS と L の2種類で、プリセットの M を含めば3サイズから選べる。
イヤホンケース

イヤホンケースはまさにカッコイイボディ!
左側の長い部分がマットな加工でめちゃめちゃ質感がいい。
右側のテカっている部分も同じ加工にしてくれたらなお良しだった。

そしてイヤホンケースのテカっている部分を右にスライドすると、イヤホン本体がお目見えする。斬新。

インジケーターはここが光る。

充電はタイプC端子。

ちなみにカラーは4色展開。明らかに女子ウケを狙っているが、ブラックに関してはいい感じにガジェット感が出ていて良い。
イヤホン本体

イヤホン本体は豆粒型で俺が好きな奴。耳からうどんが飛び出ない。
残念ながらイヤホン本体の表面はテカってて質感は良くない。ここもマット加工で滑らないようにしてくれた方がより良かったと思う。
そしてこのイヤホンケース、意外とちゃんと実用性が考えられている。イヤホンを取り出しやすいように設計されているんだ。

豆粒型イヤホンの場合は、スティック部分が無くて取り出しづらいのが欠点ではあるんだけど、このイヤホンは両サイドからつまめる構造になっている。非常に取り出しやすい。
例えば、同じ豆粒型イヤホンの「Redmi Buds 6 Play」と比較してみるとどうだろうか。

「Redmi Buds 6 Play」の場合、指を差し込めるスペースがほとんどない。だから取り出した時に滑って落としてしまう可能性があるんだ。
イヤホンケースをお洒落にしつつも、実用性を考えて設計されているのは非常に好感が持てた。
外観・イヤホン本体
- ケースがお洒落
スティックタイプでお洒落。女子向けのデザインだが、ブラックはガジェット感があって良い。 - 豆粒型イヤホン
耳からうどんが飛び出ない。 - イヤホンが取り出しやすい
両サイドからつまめる構造で親切設計。
あと、それぞれケースにマグネットが内蔵されているから、イヤホンをケースにしまう時に地味に便利。
機能面

ここからは「 Soundcore A30i 」の機能面を紹介する。
スペックを再掲と、参考に同じANKER製のコスパ抜群イヤホン「Soundcore p40i」と比較すると、次の通り。
特徴 | Soundcore A30i | Soundcore p40i |
---|---|---|
![]() | ![]() | |
発売日 | 2024年5月28日 | 2024年4月9日 |
価格 | 8,980円 | 7,990円 |
装着方式 | カナル型 | カナル型 |
ドライバーサイズ | 6mm | 11mm |
ANC | ノイズキャンセリング | ウルトラノイズキャンセリング2.0 |
外音取込 | 非対応 | 対応 |
充電端子 | USB Type-C | USB Type-C |
再生時間(単体) | 7時間 | 10時間 |
再生時間(ケース) | 24時間 | 60時間 |
ワイヤレス充電 | 非対応 | 対応 |
マルチポイント | 対応 | 対応 |
防水防滴 | IP54 | IPX5 |
重量 | 約3.7g(片耳)/47.4g(充電ケース込み) | 約5g(片耳)/58g(充電ケース込み) |
コーデック | SBC,AAC | SBC,AAC |
カタログスペック上では「Soundcore p40i」に完敗。「 Soundcore A30i 」は完全下位互換と言っていいほどで、おすすめできる点がない。
しかし、結果としては「 Soundcore A30i 」は個人的にはかなりおすすめなので、最後まで読んでいってくれると嬉しい。
アクティブノイズキャンセリング

Soundcore A30i はANC(アクティブノイズキャンセリング)を搭載している。
とは言え、実際に使用してみた感じだと、ノイキャンの効きはあまりにも微妙と言わざるを得ない。
ノイキャンモードに切り替えると、「あぁ、確かに雑音が小さくなったね」っていう感じ。一応低音はまぁまぁ除去してくれるけど、中高音にはほぼ無力だった。
2,480円で購入できる「 Redmi Buds 6 Lite」の方が十分ノイキャンの効きがいい。
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参考【イヤホン】Xiaomiのコスパ最強イヤホン Redmi Buds 6 Lite / Active / Play 3機種レビュー
続きを見る
また、同価格帯の ANKER 「Soundcore p40i」は、独自規格の「アクティブノイズキャンセリング2.0」に対応している。
「アクティブノイズキャンセリング2.0」は、上位機種「Soundcore Liberty 4」にも搭載される高性能ANCで、周りの騒音レベルに合わせてノイズキャンセリングの強度を自動で調整してくれる便利機能だ。
つまり、ノイキャン性能を求めてイヤホンを購入するのであれば、この「 Soundcore A30i 」は全くオススメしない。
アクティブノイズキャンセリング
- ノイキャン性能は低い
ANCの効きはイマイチ。低音は除去するが、中高音には無力。 - 同価格帯での優先度は低い
「 Redmi Buds 6 Lite」や「Soundcore p40i」の方が優秀。
バッテリー

バッテリーに関しても、イヤホン本体で7時間、ケース込みで24時間と、正直短い。
単体で7時間使えれば実用上は問題ないのだけれども、代わりに毎日の充電は必須だ。
しかし、本機はワイヤレス充電に対応していないため、同価格帯イヤホンと比べてしまうとどうしても見劣りしてしまうスペックと言わざるを得ない。
バッテリー
- イヤホン単体で7時間再生
- ケース込みで24時間再生
- ワイヤレス充電に対応していない
- 同価格帯と比べると見劣りする
急速充電

また、10分間の充電で2時間の使用が可能になる急速充電(5V*0.46A=2.3W)ができる。
2.3Wを急速充電と言うのはあまりにも違和感があるんだけど、「急速充電」と言う言葉には厳密な定義があるわけじゃないから、飲み込むことにする。
ちなみに「Soundcore p40i」の場合は、(5V*0.8A=4W)の入力、10分間の充電で5時間の使用が可能だから、ここでも負けている。
急速充電
- 10分間の充電で2時間の使用が可能
- 最大2.3W(5V*0.24A=2.3W)
マルチポイント接続

マルチポイント接続は、同時に複数のデバイスに接続することが可能な機能だ。
とはいっても、同時に2台のスマホから音を流せるというわけではなくて、事前にイヤホンに割り当てた機種に、接続先をワンプッシュで変更できるっていう機能だ。
俺の場合は普段スマホで聞くのは勿論の事、作業はデスクトップパソコンでするから、地味に使う。逆に言えば、パソコンを使わない人には不要な機能。
マルチポイント接続を有効にするためには、スマートフォンに「soundcore アプリ 」をインストールして設定する必要がある。

「右上の設定マーク」▷ マルチポイント接続 ▷ 新しい機器と接続する
から、2台目以降を登録することができる。
操作面でも、いちいちアプリを起動して接続先を切り替える必要はなくて、例えば、A30iを接続しているパソコンで動画の編集作業をしている時に、スマホでYouTubeを流した場合、自動的にスマホ側の音源に切り替わる。
2台のデバイスから同時に音を拾うことができるわけではないから注意してほしい。
マルチポイント接続
- 同時に2台のデバイスに接続
片方のデバイスを操作すると自動で音源が切り替わる。 - 2台以上の登録も可能
同時に接続できるのは2台まで - サウンドコアアプリの設定が必要
最初に設定が必要だけど簡単 - 同時に音を流せるわけではない
2台のデバイスから同時に音を拾うことができるわけではない。
外音取り込み

本機は外音取り込み機能にも対応。
外音取り込みは、イヤホンのマイクで収音した音をスピーカーで流す機能。
交通量が多いシーンなどで周囲に注意が必要な際に、いちいちイヤホンを取り外さなくても良いのが便利。
個人的にはなくてもいい。
IP54防塵防滴

本機は IP54 防塵防滴を備えている。
IP54防塵防滴は、日常生活の粉塵からイヤホンを守り、急な雨で濡れても大丈夫なくらいの性能だ。
最近のイヤホンではこれくらいの性能が通常搭載されているから、特質するべき点はない。
音質

最も気になる音質面。
正直全く期待はしていなかったけど、普通に聞けるし、いたって普通。
低音がほんの少し強めかなと思うけど、ここら辺は専用アプリのイラコライザで変更が可能。
定価の8,990円だったらがっかりだけど、3,000円台で買えるのであれば全然あり。
音質
- ちょっとだけ低音重視
様々な曲をクリアに楽しめる。 - 値段なり
特段音質がいいわけではない。
マイク音質

通話の際に重要となるマイク音質だが、実際に試してみて特に不満に感じる点は無かった。
ノイズキャンセリング搭載機だけあって、家の中で掃除機を付けた超騒音環境下でも、声を認識できたので、ライブ会場で使ったりしない限り通話には問題ないだろう。
スマホとの接続方法

iPhone との接続はとてもスムーズ。
- iPhone の設定 ▷ Bluetoothをオン
- イヤホンケースの蓋を開ける
- 接続先の候補に機器名が表示される
またアンドロイドスマホ向けには、Google Fast Pair に対応していて、iPhone と同じような感覚で接続することができる。
接続方法が簡単なのは、ワイヤレスイヤホン初心者の人にとっても心強い限りだ。
操作方法

基本の 再生/停止 や曲送り 以外にも音量の上げ下げはサウンドコアアプリで設定が可能だ。
更に右のイヤホンと左のイヤホンそれぞれをカスタマイズ可能。
3回タップまで設定できるので、誤作動防止に1回タップに設定を割り当てないというのもアリだ。
プリセット
- 再生/停止
R 側を2回タップ - 曲送り
L 側を2回タップ - 曲戻し
アプリで設定可能 - 音量を上げる
アプリで設定可能 - 音量を下げる
アプリで設定可能 - 通話終了
通話中にL or R側を長押し - ANCモードの切り替え
L or R側を長押し - 着信に応答
着信時にL or R側を2回タップ - 応答拒否
着信時にL or R側を長押し
まとめ

正直、購入する前までは ANKER Soundcore A30i はガジェットの知識がない女子ウケを狙った商品だと思っていた。
何故なら、カタログスペック上はSoundcore P40i が圧勝しているのに、それよりも高い8,990円という値段設定で市場に投入しているからだ。
もちろん歴戦のガジェオタ達はそんなものは買わないし、女性陣にもヒットしなかったのか、ANKER公式サイトでのお値段がひっそりと「6,990円」になっている。
そしてあまりにも売れないからなのか、2025年2月現在は、あらゆるネットショップで実勢価格4,500円前後で売り飛ばされている。そして冒頭で述べた通り、Amzonに至っては実質3,194円でセールをしていたから、俺も思わずポチってしまったわけなんだけど、結果的には非常に良い買い物ができた。
確かに、8,990円であれば存在意義が無いし、6,990円でも Soundcore P40i が圧倒的におすすめ、しかし、4,000円くらいまで下がってくるとだいぶ評価は変わる。
正直、イヤホンや音質にこだわる人には全くおすすめできないし、そもそもこの価格帯で音質にこだわるなよっていうハナシだから、見た目が良くて耳からうどんが飛び出なくて、そこそこ安いイヤホンが欲しいと思っている人にとっては非常におすすめできる1台だ。
この機体は2024年5月に発売されたものだけど、この投げ売り状態だと多分追加生産なんてしていないだろうから、気になった人は早めに手に取ってみてほしい。
イヤホンを持っていない彼女へのプレゼントにも良さそうだ。
タイミングによっては、Amazonのセールとポイント還元が重なって、実質3,000円くらいで買うことができる。気になったらチェックしてみてもらいたい。⇒Amazon「Soundcore A30i」
Soundcore A30iの特徴
- ケースがお洒落
口紅のような細長いフォルムで、ぱっと見ワイヤレスイヤホンと思えないフォルム。カラーバリエーションが豊富で女性向けだが、ブラックはガジェット感があって良い。 - 音質は普通
6mmのドライバーで、売れ筋のモデルより小口径。とはいえ、俺の耳では大差なし。 - 機能性はそこそこ
ANCとマルチポイント接続に対応し、IP54で防塵防滴性能もある。ただしANCの性能は低い。 - 惜しい点
スティック型であるなら、直挿し充電に対応してもらいたかった。
というわけで今回の記事は以上だ。最後読んでくれてありがとう。