今回はアンカーの新型イヤホン「Soundcore Liberty Buds」のレビューをしていく。
ANKERの完全ワイヤレスイヤホンの中でもハイブランドに位置付けられている「Soundcore Liberty」シリーズ初のインナーイヤー型、更にアクティブノイズキャンセリング搭載ということで注目度が高い。
個人的にインナーイヤー型のイヤホンはフィット感が良くないのであまり好みではないんだけど、「Soundcore Liberty Buds」は専用の「イヤーウィング」を搭載し、装着時の安定感を高めているという。
今回は「インナーイヤー型」と「アクティブノイズキャンセリング」という相反する2つの機能を積んだこのイヤホンの実力を検証していきたいと思う。
Amazon(Soundcore Liberty Buds)
この記事のポイント
- Soundcore Liberty Budsの装着感
- Soundcore Liberty Budsのノイキャン強度
- インナーイヤー型とANCの両立
- おすすめポイント
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Soundcore Liberty Buds スペック表

まず最初に、「Soundcore Liberty Buds」のスペックを、最新作の「Soundcore Liberty 5」と比較してみよう。
| 特徴 | Soundcore Liberty Buds | Soundcore Liberty 5 |
|---|---|---|
![]() | ![]() | |
| 発売日 | 2025年11月 | 2025年5月 |
| 価格 | 12,990円 | 14,990円 |
| 装着方式 | インナーイヤー型 | カナル型 |
| ドライバー | 11mmダイナミックドライバー LCPコーティング振動板 | 9.2mmダイナミックドライバー バスレフ構造 |
| ANC | あり | UNC3.5 |
| 外音取込 | あり | あり |
| 充電端子 | USB Type-C | USB Type-C |
| 再生時間(単体) | 7時間 | 12時間 |
| 再生時間(ケース) | 30時間 | 48時間 |
| ワイヤレス充電 | 非対応 | 対応 |
| マルチポイント | 対応 | 対応 |
| 防塵防水 | IP55 | IP55 |
| 重量 | 4.9g(片耳)/54g(充電ケース込み) | 5g(片耳)/55g(充電ケース込み) |
| コーデック | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / LDAC |
「Soundcore Liberty Buds」と「Soundcore Liberty 5」をスペックを比較してみると、一番の違いは装着方法だ。「Soundcore Liberty Buds」はシリーズ初のインナーイヤー型。つまり耳を密閉しないタイプの開放型イヤホン。
メリットとしてはカナル型特有の圧迫感がなく、長時間の装着に向く。一方でデメリットとしては当然遮音性が低いので、ノイキャンとの両立、つまり完成度がどうなってるのかは気になるポイントだ。
また、「Soundcore Liberty Buds」はワイヤレス充電に非対応なのが痛い。ケースの大きさは「Soundcore Liberty 5」とそこまで変わらないので、ここは搭載してもらいたかった。
Soundcore Liberty Buds のスペック
- インナーイヤー型イヤホン
- 開放型かつノイキャン搭載機
- ワイヤレス充電非対応
外観・付属品

まず最初に外観を確認していこう。
「Soundcore Liberty Buds」は、アンカーのイヤホンブランドの中でも上位機種に位置づけられる「Liberty」の名を冠している。
ブランド共通のスライド式ケースは、イヤホン本体をワンアクションで取り出し可能な点が便利だ。
イヤホンケース

まず、イヤホンケースを見ていこう。まず、箱から取り出した際の所見は「小さい」という印象を受けた。

みんな大好きLiberty5と比較するとこんな感じで、一回りサイズが小さい。また、厚みも薄くなっているので、コンパクトになった印象が強い。

装飾として「Soundcore Liberty 5」にあった銀色のラインがなくなってしまったので、良く言えばシンプル。悪く言えば質素になってしまったのは惜しい点だ。
シリーズ共通のスライド式ケースは維持されたのは嬉しいポイントだ。

「Soundcore Liberty Buds」、「Soundcore Liberty 4」、「Soundcore Liberty 5」を一緒に並べてみるとこんな感じ。
こう見ると「Soundcore Liberty 5」の大きさが際立つ。一方で残り二機種はかなりコンパクト。スライド式ケースは大きいと操作しづらいので、取り回しの良さは「Soundcore Liberty Buds」や「Soundcore Liberty 4」が優勢。
イヤホン本体

「Soundcore Liberty Buds」最大の特徴がこの独特な形状のイヤホンだ。


インナーイヤー型イヤホンの最大の弱点である「耳から落ちやすい問題」を解決するために、専用設計のイヤーウィングを搭載してきた。

イヤーウィングは、耳の軟骨部分にひっかけてフィットさせる機構になっていて、イヤホンを耳に装着した後に少しひねり、イヤホンを安定させる。

イヤーウィングはサイズが4つ付属しているので、付け替えて自分にあったサイズを選択する。ちょっと面倒だが、この作業がだいぶ音質に影響を与えるので必ず行ってほしいポイントだ。
付属品

付属品を全て並べるとこんな感じ。
イヤホン本体以外には、充電用の「タイプA to Cケーブル」、イヤーウィング、説明書及び保証書になる。

イヤーウィングは4サイズ付属。デフォルトでイヤホンにサイズ「2」が装着されている。
機能性

ここからは「Soundcore Liberty Buds」 の機能面ついて解説をしていく。
| 特徴 | Soundcore Liberty Buds | Soundcore Liberty 5 |
|---|---|---|
![]() | ![]() | |
| 発売日 | 2025年11月 | 2025年5月 |
| 価格 | 12,990円 | 14,990円 |
| 装着方式 | インナーイヤー型 | カナル型 |
| ドライバー | 11mmダイナミックドライバー LCPコーティング振動板 | 9.2mmダイナミックドライバー バスレフ構造 |
| ANC | あり | UNC3.5 |
| 外音取込 | あり | あり |
| 充電端子 | USB Type-C | USB Type-C |
| 再生時間(単体) | 7時間 | 12時間 |
| 再生時間(ケース) | 30時間 | 48時間 |
| ワイヤレス充電 | 非対応 | 対応 |
| マルチポイント | 対応 | 対応 |
| 防塵防水 | IP55 | IP55 |
| 重量 | 4.9g(片耳)/54g(充電ケース込み) | 5g(片耳)/55g(充電ケース込み) |
| コーデック | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / LDAC |
ノイキャンの性能に関しては、みんな大好き「Soundcore Liberty Liberty5」はアンカーの最上位技術「ウルトラノイズキャンセリング3.5」を搭載しているが、「Soundcore Liberty Buds」にはそういった表記がない。
「Soundcore Liberty Buds」はインナーイヤー型のイヤホンであるがゆえに、カナル型イヤホンとの比較が難しいが、「外からどう音を取込み」、「ノイズを遮断するのか」。ここがアンカーの腕の見せ所だといっても...いいだろう。
アクティブノイズキャンセリング

「Soundcore Liberty Buds」はインナーイヤー型イヤホンながらノイキャンを搭載した意欲作。
耳を密閉しないので、カナル型イヤホンでは不可能な、クリアな外音取込みが可能。一方でノイキャンがどの程度効くのかが非常に気になる点だった。
実際に聞いてみた感想は後述するが、ほとんどノイキャンは効いておらず、申し訳程度に機能が付いているといった印象。
バッテリー

メーカー公称値としては、ノイキャンオフの状態でイヤホン単体7時間。ケース込みで30時間のバッテリー。
「Soundcore Liberty 5」と比較するとだいぶ劣るが、連続で7時間使え、ケースに戻せば充電がされ30時間使えるので、実用上はたいして問題にならない。
連続再生時間(ノイキャンオフ)
| 特徴 | Soundcore Liberty Buds | Soundcore Liberty 5 |
|---|---|---|
| 再生時間(単体) | 7時間 | 12時間 |
| 再生時間(ケース) | 30時間 | 48時間 |
また、ノイキャンオンの場合は次のとおり。
連続再生時間(ノイキャンオン)
| 特徴 | Soundcore Liberty Buds | Soundcore Liberty 5 |
|---|---|---|
| 再生時間(単体) | 6時間 | 8時間 |
| 再生時間(ケース) | 26時間 | 32時間 |
常時ノイキャンオンにしておいても実用範囲内だ。
ただし、本機は「ワイヤレス充電」に対応していない。これまでのLibertyシリーズは漏れなく搭載していたので、これはマイナスポイントだ。
マルチポイント接続

マルチポイント接続とは、同時に複数台のデバイスにペアリング可能な接続方法のことで、「Soundcore Liberty Buds」は同時に2台のデバイスと接続可能だ。
あんまり使わない機能なので、なくても大丈夫。
音質

そして、一番気になる音質。
| 特徴 | Soundcore Liberty Buds | Soundcore Liberty 5 |
|---|---|---|
| ドライバー | 11mmダイナミックドライバー LCPコーティング振動板 | 9.2mmダイナミックドライバー バスレフ構造 |
| コーデック | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / LDAC |
「Soundcore Liberty Buds」は、ドライバー部分に11mmのダイナミックドライバーと、LCP(液晶ポリマー)コーティング振動板を採用。
比較的大きなサイズのドライバーを搭載したことで低音の迫力を補完。LCP(液晶ポリマー)コーティング振動板は剛性が高く丈夫な素材らしい。つまり耐久性に優れつつ、音の再現性が高い、らしい。詳しくはわからないがそういうものらしい。
実際に聞いてみた感想は、「かなり良い」と感じた。
正直、インナーイヤー型はどうしてもカナル型に比べると音質が劣る。これは構造的に仕方のないことなんだけど、それでも音楽を聞けば迫力のあるサウンドを感じることができた。
注意点としては、イヤーウィングのサイズは適正なものを選ぶこと。そして装着方法にある通り、一度イヤホンを装着してから捻るようにして耳にフィットさせること。
これをするとしないとでは安定感も音質も全然違うので、本機を購入した際は忘れずに行ってほしいポイントだ。
専用アプリ「Soundcore」

ANKERのワイヤレスイヤホンすべてに言えるが、基本的に専用アプリ「Soundcore」を使用するのをおすすめしたい。
特に音質を自分に最適化するイコライザ機能の「Hear ID」を試してみることを強くおすすめする。
また、それ以外にも、再生/一時停止/曲送り といった操作系の割り当てが可能だ。
Soundcore Liberty Budsのメリット

さて、ここまで「Soundcore Liberty Buds」の外観や機能面について紹介をしてきたが、それらを踏まえたメリットを解説していく。
主なメリットは次の3点。
- 長時間の使用に向く
- ケースが小さく取り回しがしやすい
- 音質が良い
順番に解説をしていく。
長時間の使用に向く

まず最初に良いと感じたポイントは、イヤホン本体の装着感が良い点だ。
インナーイヤー型イヤホンはどうしてもフィット感が悪く「イヤホンが落ちる」ということが発生する。なので俺も今までは避けてきたジャンルではある。
しかし、本機はイヤーウィングを搭載したことでその問題を克服。装着感は上々だ。
また、カナル型のように耳を圧迫することがないため、長時間使用していても疲れづらい点もポイントが高い。
ケースが小さく取り回しがしやすい

2つ目に良いと感じたポイントは「ケースが小さい」ことだ。
Liberty5ではだいぶ巨大化してしまったスライド式ケースなのだが、大きいとだいぶ取り回し悪くなる。
本機はケースが小さくケースの開閉が片手で容易に行えるので、毎日使うイヤホンだからこそストレスなく使えるのは良い点だ。
Soundcore Liberty Budsは音質が良い

そして3つ目のメリットは音質が良い点だ。
インナーイヤー型はどうしてもカナル型に比べると音質が劣る。これは構造的に仕方のないことなんだけど、本機で音楽を聞けば迫力のあるサウンドを感じることができた。
カナル型が苦手な人であれば、有力な選択肢になるだろう。
Soundcore Liberty Budsのデメリット

対して「Soundcore Liberty Buds」のデメリットを解説する。主なデメリットは次の3点。
- ノイキャンが使い物にならない
- 普通に音漏れする
- ワイヤレス充電非対応
順番に解説をしていく。
ノイキャンが使い物にならない

まず、声を大にしていいたいのが、「ノイキャンが使い物にならない」点だ。
本機は「インナーイヤー型イヤホン」かつ「ノイキャン搭載機」として、相反するコンセプトを融合させた意欲機だったので、どんな完成度なのか期待をしていたが、正直なところのノイキャンについてはガッカリ性能だった。
とは言うのも、ほとんどノイキャンは効いておらず、申し訳程度に機能が付いているといった印象。
確かにノイキャンをオンにすれば、雑音は低減されるが、その強度は「Soundcore Liberty 5」のようなカナル型イヤホンとは比較にならないほど貧弱。
更にタチが悪いことに、本機のノイキャンをオンにすると、ホワイトノイズのような「サーーーッ」という音がかなり酷い。無音状態でもそこそこ聞こえる。
なので、本機を使う上で「ノイキャン」は早々にOFFで使用することを決意した。
やはり「インナーイヤー型」と「ノイキャン」はコンセプトが矛盾しているので、アンカーの技術力を以てしても両立は不可能だということがよくわかるイヤホンだった。
普通に音漏れする

インナーイヤー型イヤホンの宿命だが、本機も普通に音漏れする。
前述したノイキャンの性能が高ければ、元々の音量を小さくすることができるので、結果として音漏れを抑えることができるんじゃないかと期待していたが、残念ながらその夢は打ち破られた。
故に「Soundcore Liberty Buds」は電車やカフェなどでの使用はおすすめできない。
ワイヤレス充電非対応

「Soundcore Liberty Buds」は残念ながらワイヤレス充電非対応。アンカーの上位モデル「Liberty」シリーズに名を連ねるのであれば、当然ほしい機能だ。
バッテリー容量についても「Soundcore Liberty 5」などに比べれば少な目なので、充電頻度が多くなる点からもワイヤレス充電には対応しておくべきだったと感じる。
ワイヤレス充電を付けるとコンパクトさが失われる点を嫌ったのかもしれないが、それでもワイヤレス充電ができる「Soundcore Liberty 4」とほぼ一緒の大きさ。コスト削減と言われても仕方がないと感じる。
(結論①)Soundcore Liberty Budsは買うべきではない

というわけで、「Soundcore Liberty Buds」のメリット、デメリットを踏まえた上で、個人的には本機を買うべきではないと思う。
ほとんどの人にとっては本機よりも低価格の「EarFun Air Pro 4」や「soundcore p40i」のようなイヤホンの方がおすすめだ。
また、「Liberty」シリーズの中で選んだ場合でも、「Soundcore Liberty 4」はセール時に1万円を切る価格で購入することが可能。本機に13,000円を出す必要はない。
「Soundcore Liberty Buds」の致命的なデメリットは、やはりノイキャンが使い物にならない点だろう。
この点が克服できれば、「自然な外音取り込みができるイヤホン」として、一定の支持を受けることができると思うが、今はまだまだその段階ではないと感じる。
(結論②)カナル型イヤホンが苦手な人にはアリ

一方で、カナル型イヤホンが苦手な人にとっては「Soundcore Liberty Buds」は有力な選択肢になりえる。
とは言うのも、「Soundcore Liberty Buds」の音質は上々。開放型イヤホン故に外のノイズが入ってきてしまうが、それでも迫力のあるサウンドを体感できた。
耳を圧迫しない為、長時間の使用にも向く。
家で勉強や副業に集中したい時や、外の音が聞こえる点を活かして、家事などの際のながら聞きにはちょうど良いかもしれない。屋外での使用はオススメしない。
まとめ

というわけで、今回はANKERのインナーイヤー型イヤホン「Soundcore Liberty Buds」をレビューしてきた。
本機は耳への圧迫感がないため長時間の使用に向き、取り回しがしやすく、そして音質も上々な点がメリットだ。
Soundcore Liberty Buds の良い点
- 長時間の使用に向く
- ケースが小さく取り回しがしやすい
- 音質が良い
一方で最も気になる点はノイキャンが非常に弱い点だ。弱いだけならまだしも、ノイキャンをオンにすると「サーーーッ」というホワイトノイズが酷く、正直使い物にならない。
ノイキャンが効かない開放型イヤホンということで、音漏れも普通にする。ワイヤレス充電にも非対応ということで、総じて「12,990円」という価格に見合ったイヤホンとは言い難い。
Soundcore Liberty Buds のイマイチな点
- ノイキャンが使い物にならない
- 普通に音漏れする
- ワイヤレス充電非対応
ということで、今回は「インナーイヤー型」と「アクティブノイズキャンセリング」という相反する2つの機能を積んだこのイヤホンの実力を試してみたが、感想としてはまだまだ実用には程遠い印象。
本機は耳への圧迫感が少なく、長時間使用に向く点を活かして、屋内でのながら聞きとして使うのがオススメだ。
Soundcore Liberty Buds
こっちもおすすめ









