個人的にANKERの製品が好きで、これまでたくさんのANKER製ワイヤレスイヤホンのレビューをしてきたんだけど、そろそろ他メーカーの製品も試していかないといけない。
実際にYouTubeでも、アンカーの製品ばかり取り上げていることを指摘されるようになったし、他メーカーの製品レビューも聞きたいというコメントを貰うようになったから、三流YouTuberとして期待に応えないわけにはいかないだろう。
というわけで今回は、1万円以下のワイヤレスイヤホンの中でも特に評価が高い、サウンドピーツ社製「SOUNDPEATS Air5 Pro」のレビューをしていきたいと思う。
SOUNDPEATSのイヤホンは品質が良さそう

今回、「SOUNDPEATS Air5 Pro」を取り上げる理由としては、単純にSOUNDPEATSが高い品質の商品を低価格で製品を販売している、つまり、かつてのアンカーのようにハイコスパな製品を世に送り出していると評判だからだ。
実際にこの前レビューをしたイヤーカフ型イヤホン「SOUNDPEATS CC」も、6,000円くらいのお値段で、びっくりするくらいの品質だったし、ライバル機のANKER「SoundcoreC40i」と比べても、総じて出来が良かった。
であれば、そのSOUNDPEATS社製のイヤホンの中でも、最もハイコスパと言われている「SOUNDPEATS Air5 Pro」の実力を試さないわけにはいかないだろう。
結論からいうとSOUNDPEATS Air5 Proの良い点、イマイチな点は次の通り。
SOUNDPEATS Air5 Proの良い点
- ノイキャンが強力
-55dB相当のノイキャン - イヤホンがおしゃれ
まるで蛇のようなギラついたデザイン
SOUNDPEATS Air5 Proのイマイチな点
- ワイヤレス充電がない
この価格帯で無線充電がないのは痛い - 音質がイマイチ
迫力はあるが若干音のこもりを感じる
それぞれ詳しく見ていこう。
SOUNDPEATS Air5 Pro スペック表

まず最初に、「SOUNDPEATS Air5 Pro」のおおまかなスペックを把握していこう。
比較対象は同価格帯でコスパNo1の「EarFun Air Pro 4」だ。
特徴 | SOUNDPEATS Air5 Pro | EarFun Air Pro 4 |
---|---|---|
![]() | ![]() | |
価格 | 9,980円 | 9,990円 |
装着方式 | カナル型 | カナル型 |
ドライバーサイズ | 10mm | 10mm |
ANC | -55dB | -50dB |
外音取込 | あり | あり |
充電端子 | USB Type-C | USB Type-C |
再生時間(単体) | 7.5時間 | 11時間 |
再生時間(ケース) | 37時間 | 52時間 |
ワイヤレス充電 | 非対応 | 対応 |
マルチポイント | 対応 | 対応 |
防水防滴 | IPX5 | IPX5 |
重量 | 約5g(片耳)/55g(充電ケース込み) | 約5g(片耳)/55g(充電ケース込み) |
コーデック | LC3 / LDAC / aptX Lossless / aptX adaptive / aptX / AAC / SBC | SBC,AAC,LDAC aptX,Adaptive aptX Lossless Snapdragon Sound LC3 |
「SOUNDPEATS Air5 Pro」と「EarFun Air Pro 4」のスペックを比較してみると、全体的に似たスペックだが、ノイキャンについては公称値では「SOUNDPEATS Air5 Pro」の方が強力。
一方で「SOUNDPEATS Air5 Pro」はワイヤレス充電に対応をしていない点が非常に痛い。この価格帯でコスパを謳うのであれば、当然搭載しているべきポイントだ。
「SOUNDPEATS Air5 Pro」外観・付属品

ここからは製品の外観を確認していく。
附属品は本体のほかにイヤーピースが2種類、そして充電用のタイプA to Cケーブル。

イヤーピースはSサイズとLサイズの2つ付き、イヤホン本体についているMサイズを含めると3サイズに対応。
イヤホンケース

イヤホンケースは丸っこい形で、大きくもなく小さくもない。
マット加工がされているので、ツルツルした安っぽさはない。

前面のインジケーターは緑色に点灯。

底面に充電用のUSBタイプC端子。その横にリセット用の物理ボタン。
「EarFun Air Pro 4」と比較してみるとこんな感じ。

形は違うが大きさはほぼほぼ一緒。

フタを開けるとこんな感じ。
上に大きく開くタイプなので、両手で扱う必要があるが、イヤホン本体は取り出しやすい。

イヤホンケースは思った以上にデザインを意識しているみたいで、スライド式ではないが、アンカーのSoundcore Libertyシリーズのような銀色のラインがアクセントになっていておしゃれだ。
イヤホン本体

イヤホン本体は、なんといってもスティック部分の意匠がまるで蛇の皮のようなギラギラとしたデザインが特徴的だ。

マット加工がされた無難なものが多い中で、このデザインはかなり挑戦的。
学生を中心とした若者向けのデザインな印象。おっさんが付けていると痛い感じはする。


デザインに関してはかなり好みが分かれるだろう。

ノズル部分は楕円形。「SoundcoreP40i」もそうなんだけど、楕円形のイヤーピースは俺の耳にフィットしなかったから、正直微妙な付け心地。
イヤーピースが合わないと、物理的にノイキャンの効果が弱まるし、付けているうちに落下する危険性があるから、ここも人を選ぶポイントではある。
「EarFun Air Pro 4」と比較してみるとこんな感じ。

「SOUNDPEATS Air5 Pro」はかなり気合の入ったデザインで若者向け、「EarFun Air Pro 4」はマットな質感の中にキラッと光る金属加工で、大人っぽい感じ。おっさん向けのデザイン。
「SOUNDPEATS Air5 Pro」の機能性

ここからは「SOUNDPEATS Air5 Pro」の機能面を、「EarFun Air Pro 4」と比較してチェックする。
特徴 | SOUNDPEATS Air5 Pro | EarFun Air Pro 4 |
---|---|---|
![]() | ![]() | |
価格 | 9,980円 | 9,990円 |
装着方式 | カナル型 | カナル型 |
ドライバーサイズ | 10mm | 10mm |
ANC | -55dB | -50dB |
外音取込 | あり | あり |
充電端子 | USB Type-C | USB Type-C |
再生時間(単体) | 7.5時間 | 11時間 |
再生時間(ケース) | 37時間 | 52時間 |
ワイヤレス充電 | 非対応 | 対応 |
マルチポイント | 対応 | 対応 |
防水防滴 | IPX5 | IPX5 |
重量 | 約5g(片耳)/55g(充電ケース込み) | 約5g(片耳)/55g(充電ケース込み) |
コーデック | LC3 / LDAC / aptX Lossless / aptX adaptive / aptX / AAC / SBC | SBC,AAC,LDAC aptX,Adaptive aptX Lossless Snapdragon Sound LC3 |
価格については定価だと両機種とも約1万円。ただし、2機種とも常にセールを行っているので、実勢価格では7,500円くらいで購入することができる。
スペック表上では、アクティブノイズキャンセリグの強さは若干「SOUNDPEATS Air5 Pro」の方が強い。
一方で「SOUNDPEATS Air5 Pro」はワイヤレス充電に対応をしていない点が気になるところだ。
アクティブノイズキャンセリング

「SOUNDPEATS Air5 Pro」のノイキャンは、公称値でノイズを-55dBカットしてくれる。
55dBってどれくらいの騒音なの?と思う人もいると思うが、室内のエアコンの駆動音くらい。実際に着けてみるとエアコンやパソコンの駆動音は感じない。
また、同価格帯最強のコスパ機、「EarFun Air Pro 4」と比べてみると、ノイキャンの強さはわずかに上手。
SOUNDPEATS Air5 Pro | EarFun Air Pro 4 | |
---|---|---|
ANC | -55dB | -50dB |
実際に聞き比べてみても、確かに「SOUNDPEATS Air5 Pro」の方がテレビの音声がよりカットされている。
聞き比べてみないと感じないくらいの差ではあるが、それでも最強コスパ機を超えるノイキャンを搭載している点は評価できるポイントだ。
バッテリー

メーカー公称値で、「SOUNDPEATS Air5 Pro」はイヤホン単体で7.5時間ケース込みで37時間の連続再生、対して「EarFun Air Pro 4」はイヤホン単体で11時間ケース込みで52時間となっている。
特徴 | SOUNDPEATS Air5 Pro | EarFun Air Pro 4 |
---|---|---|
再生時間(単体) | 7.5時間 | 11時間 |
再生時間(ケース) | 37時間 | 52時間 |
バッテリー持ちに関しては「EarFun Air Pro 4」の圧勝。ただ、「SOUNDPEATS Air5 Pro」も余裕で一日持つので、あまり気にならない点ではある。
マルチポイント接続

マルチポイント接続についても標準搭載。
イヤホンとパソコンを接続している時に、スマホに電話がかかってきても直ぐに切りかえて応答が可能。
ワイヤレス充電

本機は残念ながらワイヤレス充電に対応をしておらず、有線接続のみになる。
1万円未満のミドル帯の価格であれば、ワイヤレス充電は搭載をしてほしかったところ。
SOUNDPEATS Air5 Pro | EarFun Air Pro 4 | |
---|---|---|
ワイヤレス充電 | 非対応 | 対応 |
「EarFun Air Pro 4」は対応をしているので、ワイヤレス充電を重視している人は本機は選ぶべきではない。
防塵防滴性能

本機は「IPX5」相当の防滴性能に対応。防塵性能はないので砂ぼこりには弱い。
雨や水しぶき、汗が付いても大丈夫ぐらいの性能なので過信は禁物。
流水には耐えられないので、防水というよりも防滴と言った方が正しい。
音質

そして最後が一番気になる音質の勝負。ここがダメなら全て台無しだ。
「SOUNDPEATS Air5 Pro」の音は典型的なドンシャリ系、つまり低音が派手で高音がシャリシャリしている。
抽象的な言い方をすると、音は派手に聞こえるが、ちょっと音が籠もっている感じがする。傾向としては「ANKER Soundcore p40i」の音作りに似ている。
SOUNDPEATS Air5 Pro | EarFun Air Pro 4 | |
---|---|---|
音質 | ドンシャリ系 | クリアな音 |
ここは好みの問題になってしまうが、「EarFun Air Pro 4」は低音から高音までクセが無く、聞いていてストレスのないクリアな音。ただ、低音もしっかり主張しているので、個人的には「EarFun Air Pro 4」の音が好き。
専用アプリ「Peats Audio」で音質改善

「SOUNDPEATS」のイヤホンは、専用アプリ「Peats Audio」で音質をカスタマイズできる。
プリセットイコライザの他にも、周波数帯ごとに聴覚テストをして自分にあった「EQテスト」なんかの機能もあるが、ANKERやEarFunのアプリと比べると貧弱さを否めない。
実際に「EQテスト」を試してみたが、どうしても「音のこもり感」は解消できなかったので、ここはマイナスポイントだ。
外音取り込み

SOUNDPEATS Air5Proは外音取り込みにも対応。
標準と人の声を強調した2パターン用意されているが、どちらもホワイトノイズはかなりのっかていて、自然な音とは程遠い感じ。
外音取り込みについては俺はあんまり使わないから問題ないんだけど、気になる人は押さえておいて欲しいポイントだ。
通話性能

通話性能についてはマイクが6つ搭載されていることもあって問題ない。
ノイキャンが強力なことも相まって、騒音環境下でも使えるので、WEB会議用のマイク代わり使うこともできる。
SOUNDPEATS Air5Proの良い点

ここまでの内容を踏まえて、「SOUNDPEATS Air5Pro」の良い点は次の2点だ。
SOUNDPEATS Air5 Proの良い点
- ノイキャンが強力
-55dB相当のノイキャン - おしゃれなデザイン
まるで蛇のようなギラついたデザイン
ノイキャンが強力

本機のノイキャンの公称値は-55dBで、実際に「EarFun AirPro4」と聞き比べてみたが、テレビからの音声をよりカットしているように感じた。
つまり、俺が試した1万円以下で買えるワイヤレスイヤホンとしては、本機が最もノイキャンが強力だということになる。
ノイキャンを最も重要視している人は本機を検討してもいいだろう。
おしゃれなデザイン

本機のイヤホン本体のデザインは非常に特徴的だ。
これまで試してきたイヤホンはシンプルかつスタイリッシュな路線だったが、「SOUNDPEATS Air5 Pro」はまるで蛇の鱗のようなギラついたデザイン。
若者向けのデザインで俺には似合わないが、学生ぐらいにはちょうどいいかもしれない。
SOUNDPEATS Air5Proの悪い点

SOUNDPEATS Air5 Proのイマイチな点
- ワイヤレス充電に非対応
この価格帯で無線充電がないのは痛い - 音質がイマイチ
迫力はあるが若干音のこもりを感じる
ワイヤレス充電に非対応

ワイヤレス充電があるかどうかは結構重要。
というのも、やっぱり挿したり抜いたりする作業を毎日するのは手間だし、何よりイヤホンが定位置にないと外出の際に忘れるリスクもある。
一方でワイヤレス充電に対応をしていれば、毎日使ったら机上の定位置に置くだけでいいから、常にイヤホンの位置が固定される。
忘れ物をなくすには、常に物のホームポジションを決めることが大事だから、単純に充電ができるかどうか以上に、そういった実用上の問題として、この価格帯であればワイヤレス充電には対応をしておいてもらいたかった。
音質がイマイチ

本機は典型的なドンシャリ系で、迫力のある音が魅力的ではあるんだけど、一方でどうしても音のこもり感が否めない。
薄い布越しで音楽を聴いているような、なんとなく音がはっきりしないような印象がある。
もちろん、音質については個人の好き嫌いによるところが大きいから、ドンシャリ系が好きだよっていう人には問題ないんだろうけど、どうしても長時間使っていると疲れる。
イコライザ設定で調整しようにも、プリセットは4種類、カスタムの「EQイコライザ」の精度も高くないから、残念ながら「こもり感」を解消することはできなかった。
SOUNDPEATS Air5Pro と EarFun AirPro4どっちがおすすめか

というわけで、ここまでの内容を踏まえて「SOUNDPEATS Air5Pro」 と 「EarFun AirPro4」どっちがおすすめかっていうハナシなんだけど、「EarFun AirPro4」の方が全然おすすめ。
ノイキャンこそ「SOUNDPEATS Air5Pro」の方が強く感じるけど、正直誤差の範囲だし、「ワイヤレス充電に対応をしていないこと」、そして「音のこもり感」がどうしても足を引っ張る。
逆に言うと、 「EarFun AirPro4」の完成度があまりにも高いとも言える。あまりにも相手が悪かった。
ただ、イヤホン本体の外観は挑戦的でおしゃれだから、このデザインを気に入ったのであれば、「SOUNDPEATS Air5Pro」を選択してもいいと思う。
まとめ

今回は巷でコスパ抜群と噂の「SOUNDPEATS Air5Pro」を、王者 「EarFun AirPro4」とぶつけてレビューをしてきた。
機能性や音質で言うと、やっぱり「EarFun AirPro4」に軍配が上がる。あまりにも完成度が高く、今回も「絶対王者」の貫録を見せつけてくれた。
一方で「SOUNDPEATS Air5Pro」もノイキャンは上回り、デザインも挑戦的で中々面白い機体だった。総合力も高いので、ノイキャン、デザイン重視の場合はこっちでもいいかもしれない。
というわけで今回の記事は以上だ。近日、「EarFun」から新製品「EarFun AirPro4 i」が発売されるので、そのレビューが今から楽しみだ。
最後まで見てくれて感謝。
SOUNDPEATS Air5 Pro
EarFan Air pro4