ANKERのSoundcore Liberty4シリーズ、無印、Proとレビューをしてきたんだけど、残りのノイキャン特化モデル「Liberty4 NC」だけまだ使ってみていなかった。
何故かというと、俺がとっても参考にさせてもらっているガジェットレビュワーの禿げたおっさんが、「Liberty4 NC」はイマイチっていう評価を下していたから、どうしてもレビューが先延ばしになってしまったんだ。
ぶっちゃけ、Liberty5が発売をされ、他の機種もセールで売られるようになった今、「Liberty4 NC」には需要があるとは思えないんだけど、それでも一応はガジェットレビュワーの端くれとして、取り残したこのイヤホンのレビューをしていきたいと思う。
ただ、実際に使ってみた感想としては、「意外にアリ」という結論に至ったので、どうしてそう思ったのかを解説していく。
Soundcore Liberty4 NC の良い点
- ノイキャンが強力
発売当時、ANKER最高性能 - 高音質
聞きやすくクリアなサウンド - ボタン跳ね上げ式
賛否あるが個人的にはアリ
Soundcore Liberty4 NC のイマイチな点
- タッチセンサー式
つまみ型センサーの方が誤作動が少ない - 相対的に価格が高い
何故か本機だけセール対象にならない
全体的に高水準で、指摘されていたケースの扱いづらさも、逆にアリなんじゃね?って思えたから、個人的には高評価。
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Soundcore Liberty4 NC スペック表

まず最初に、「Soundcore Liberty4 NC」のスペックを、最新作「Soundcore Liberty 5」と比較してみよう。
特徴 | Soundcore Liberty4 NC | Soundcore Liberty 5 |
---|---|---|
![]() | ![]() | |
発売日 | 2023年7月 | 2025年5月 |
価格 | 12,990円 | 14,990円 |
装着方式 | カナル型 | カナル型 |
ドライバーサイズ | 11mm | 9.2mm |
ANC | UNC3.0 | UNC3.5 |
外音取込 | あり | あり |
充電端子 | USB Type-C | USB Type-C |
再生時間(単体) | 10時間 | 12時間 |
再生時間(ケース) | 50時間 | 48時間 |
ワイヤレス充電 | 対応 | 対応 |
操作方法 | タッチ式 | つまみ式 |
マルチポイント | 対応 | 対応 |
防塵防水 | IPX4 | IP55 |
重量 | 約5g(片耳)/60g(充電ケース込み) | 約5g(片耳)/55g(充電ケース込み) |
「Soundcore Liberty 4 NC」と、最新作の「Soundcore Liberty 5」を比べてみると、大きな違いとしては、「ドライバーサイズ」、「ノイキャンの規格」、「操作方法」の3点が挙げられる。
ドライバーサイズについては「Soundcore Liberty4 NC」が11mmとサイズが大きく、低音の表現力に有利に働くが、「Soundcore Liberty 5」もドライバー以外の音響技術として「バフレス構造」を採用して、低音を補っている。

聞き比べた感想としては、両者に大きな差異は感じなかった。
また、ノイキャンについては「Liberty4 NC」が「UNC3.0」を採用。
発売当時はアンカー最強のノイキャン性能を誇っていたが、2年経った今では1ランクグレードダウンした性能になっている。
操作方法については明確に違いがあって、「Liberty4 NC」はよくあるタッチセンサー式を採用。
つまみ型センサーの方が誤って触れてしまった時の誤作動の心配が少ないが、タッチセンサー式の方が好きと言う人もいると思うので、ここは好みの差といっていいだろう。
Soundcore Liberty4 NCの外観・付属品

まず最初に外観と付属品を確認していこう。

箱の中身はこんな感じで、イヤホンと充電用のケーブル、そして交換用のイヤーピース。

イヤーピースはXS から XL までの4サイズ。本体にデフォルトでMサイズが付いているので、合計5サイズに対応。
Liberty4 NCのイヤホンケース

イヤホンケースはシンプル。

Liberty5と比べると、ケース上部のボタンの有無が違う。

ケースを開けてみるとこんな感じ。Liberty4NCがボタンを押すと上に開くのに対して、Liberty5はスライド式の開閉機構。
どちらも片手で操作をすることができるので、操作性は互角。ただし、金属のモール装飾の有無で、Liberty5の方が高級感がある。
Liberty4 NCのイヤホン本体

次にイヤホン本体だが、こちらも割とシンプルな作り。ただ、マットな金属の質感で安っぽさはない。

イヤーピースが楕円形でp40iみたいに耳にハマらないかと思ったけど、意外と大丈夫。不思議。

ただ、どうしても装着感の良さは丸型イヤーピースに比べれば劣る。
あとで書くけど、ノイキャン強度の差は正直このイヤーピースの装着感の差だと思う。
Soundcore Liberty4 NC の機能性

ここからは「Soundcore Liberty 4NC」 の機能面ついて解説をしていく。
特徴 | Soundcore Liberty4 NC | Soundcore Liberty 5 |
---|---|---|
![]() | ![]() | |
発売日 | 2023年7月 | 2025年5月 |
価格 | 12,990円 | 14,990円 |
装着方式 | カナル型 | カナル型 |
ドライバーサイズ | 11mm | 9.2mm |
ANC | UNC3.0 | UNC3.5 |
外音取込 | あり | あり |
充電端子 | USB Type-C | USB Type-C |
再生時間(単体) | 10時間 | 12時間 |
再生時間(ケース) | 50時間 | 48時間 |
ワイヤレス充電 | 対応 | 対応 |
操作方法 | タッチ式 | つまみ式 |
マルチポイント | 対応 | 対応 |
防塵防水 | IPX4 | IP55 |
重量 | 約5g(片耳)/60g(充電ケース込み) | 約5g(片耳)/55g(充電ケース込み) |
最新作のLiberty5と比べて見劣りする点もあるが、それでも総合力はかなり高い。
ウルトラキャンセリング3.0

Soundcore Liberty 4NCは独自規格「アクティブノイズキャンセリング3.0」を搭載している。これは、周囲の騒音環境に合わせて、ノイキャンの強さを自動調整してくれる優れものだ。
姉妹機のLiberty4にに搭載されている「アクティブノイズキャンセリング2.0」と聞き比べてみると、明らかにノイキャンの強度は向上。ノイキャン特化を謳うだけのスペックを見せてくれる。
一方で最新作のLiberty5が搭載している「アクティブノイズキャンセリング3.5」と比べると1ランク低いものとされるが、実際に聞き比べてみた感想としては大差ないというのが正直な印象。
4NCの方がイヤーピースのフィット感が悪いので、その分だけ差が付いている気がする程度。
バッテリー

メーカー公称値としては、イヤホン単体で10時間ケース込みで50時間の連続再生。
Liberty5に比べて、イヤホン本体では若干短いが、ケース本体含めると逆に少し駆動時間が長くなる。
ただ、これだけ使えれば大差ないし、ワイヤレス充電に両機種対応しているので必要十分な性能だ。
特徴 | Liberty 4NC | Liberty 5 |
---|---|---|
再生時間(単体) | 10時間 | 12時間 |
再生時間(ケース) | 50時間 | 48時間 |
ワイヤレス充電

繰り返しになるが、本機はワイヤレス充電に対応をしている。
ワイヤレスイヤホンは毎日使うものだから、手間の少ない便利なワイヤレス充電に対応しているのは大きい。
マルチポイント接続

マルチポイント接続とは、同時に複数台のデバイスにペアリング可能な接続方法のことで、「Soundcore Liberty 4NC」は同時に2台のデバイスと接続可能だ。
例えば、パソコンとワイヤレスイヤホンを接続してYouTubeを聞いている時に、スマホに電話の着信があってもそのまま瞬時にハンズフリー通話でイヤホンから音声が流れるのは便利だ。
逆に言うと、それくらいの場面しか実用上のメリットはないとも言えるから、正直なくてもいい機能ではある。
防塵防滴性能

本機の防塵防滴性能はIPX4の生活防水レベル。
水没したら終わるが、雨や水しぶき程度では故障はしない。
音質

そして、一番気になる音質なのだが、これは非常に良い。姉妹期の「Soundcore Liberty 4」は、高音の刺さる感じがあったが、本機ではそういった尖った所がなる、全体的に非常に聴きやすい、落ち着いたサウンドに仕上がっていると思う。
かと言って迫力がないわけではなく、音楽を聴いてもしっかりと臨場感を感じることもできる。「Soundcore Liberty 5」と聞き比べても、正直どちらの方が上っていうのはない。どっちも良くて、好み次第で優劣が決まる感じだ。
専用アプリ「Soundcore」

また、ANKERのワイヤレスイヤホンすべてに言えるが、基本的に専用アプリ「Soundcore」を使用するのをおすすめしたい。特に音質を自分に最適化するイコライザ機能の「Hear ID」を試してみることを強くおすすめする。
それ以外にも、再生/一時停止/曲送り といった操作系の割り当てが可能だ。タッチ操作の割り当てのデフォルトは次の通り。
操作 | プリセット |
---|---|
再生/停止 | L or R側を1回タップ |
曲送り | R側を2回タップ |
曲戻し | L側を2回タップ |
音量を上げる | アプリで割り当て可能 |
音量を下げる | アプリで割り当て可能 |
電話を受ける | 着信中にL or R側を2回タップ |
着信拒否 | 着信中にL or R側を長押し |
通話終了 | 通話中にL or R側を長押し |
外音モードの切り替え | L or R側を長押し |
音声アシスタント | アプリで割り当て可能 |
ペアリングモードへの移行 | 充電ケースのボタンを長押し |
Soundcore Liberty4 NC のメリット
さて、ここまでの内容を踏まえて、Soundcore Liberty4 NC のメリットを整理すると次のとおりだ。
Soundcore Liberty4 NC の良い点
- ノイキャンが強力
- 高音質
- ボタン跳ね上げ式
ノイキャンが強力

まず本機の最大の特徴はそのノイキャンの強さだ。発売当初はアンカー製品の中でも最強のノイキャン「ウルトラノイズキャンセリング3.0」を搭載。
先に発売された姉妹機の「Soundcore Liberty4」や「Soundcore P40i」の搭載している「ウルトラノイズキャンセリング2.0」と聞き比べてみると、明らかにノイキャンの強度が増し、遮音性が向上している。
「Soundcore Liberty4」の場合だと、俺が普段作業をしているパソコンのファンの音がかすかに聞こえる(これでも十分優秀だが)んだけど、本機の場合はマジで何も聞こえなくなる。
集中したい時に耳栓が変わりとして使うのにも適しているだろう。
高音質

本機の良いところは、ノイキャンの強度に加えて音質も良いところだ。
姉妹機の「Soundcore Liberty4」の方がデュアルドライバーでを積んでいて音質が良さそうなんだけど、高音が刺さる感じがあるからイコライザの調整が必須だ。
一方で本機は高音から低音まで非常に聞きやすくクリアなサウンド。ノイキャンが強力だから音量を大きくする必要がなく、小さい音でも十分に音楽や動画コンテンツを楽しむことができるだろう。
ボタン跳ね上げ式

本機のデメリットとして挙げられがちのイヤホンケースの作りだが、実際に使って見た感想は「結構アリ」。
本機はケースを開閉する際にボタンを押してフタを跳ね上げる方式。対して姉妹機の「Soundcore Liberty4」などはスライド式の開閉機構を採用している。
跳ね上げ方式が使いづらいとか、スライド式の方がスタイリッシュでおしゃれっていう意見もあるんだけど、どっちも片手で操作できる点は一緒。
加えて、ケースを開けた後、イヤホン本体を取り出す際は、「Soundcore Liberty4 NC」の方が指を入れる隙間が大きくて取り出しやすい。使い勝手を見れば、この「ボタン跳ね上げ式」の開閉機構の方が優秀だ。
ただし、イヤホンケースは「Soundcore Liberty4」の方が洗練されていておしゃれなので、そのあたりは差別化ができていているポイントでもある。
Soundcore Liberty4 NC のイマイチな点
対して、本機のイマイチな点は次の通り。
Soundcore Liberty4 NC のイマイチな点
- タッチセンサー式
- 相対的に価格が高い
タッチセンサー式

本機のイヤホン本体での操作はタッチはセンサー式だ。
直感的に操作がしやすいが、間違って触れると曲が停止したりするので、個人的には、姉妹機「Soundcore Liberty4」や「Liberty5」が採用している、つまみ型センサーの方が使いやすい。
とはいえ、この点は好みの違いもあるので、大きな問題ではない。
相対的に価格が高い

本機のデメリットではないが、同時期に発売をした「Soundcore Liberty4」は安値で販売をされるようになっていて、ネットショップを使えば大手家電量販店でも1万円程度で手に入れることができる。
一方で、本機は何故かアンカー公式のセールや、アマゾンプライムデーのセール対象にはならず、定価の12,990円をキープし続けている。
本機も同様にセールされて、10,000円を切る価格で手に入れられるのならばオススメできるんだけど、現状だと相対的に価格が高いと言わざるを得ない。
本機に13,000円を出すのであれば、2,000円上乗せして「Soundcore Liberty5」を購入した方が幸せになれるだろう。
まとめ

というわけで、今回はANKERのノイキャン特価ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty4NC」をレビューしてきた。
2年前に発売をされて、型落ちになっている本製品だが、スペックとしてはまだまだ現役、というか正直なんの不満もない。
確かに、最新作の「Soundcore Liberty 5」に比べると劣る部分もあるんだけど、ほとんど誤差の範囲でしかない。
一方で、これで値崩れを起こして、例えば8,000円くらいで常時買えるようになれば、コスパが高いイヤホンとして紹介もできるんだけど、残念なことにそうではないから、率先しておすすめできる機体ではないのもまた事実だ。
ただ、本機を新品で買うと高いが、中古で良ければメルカリで5,000円くらいで状態の良いものも出品されている。
交換用のイヤーピースも付属しているので、新品にこだわらない人にとっては良い選択肢になると思う。
Soundcore Liberty 4 NC
こっちもおすすめ